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デリーに戻る特急列車は、またもや定刻にやって来て定刻に出発した。都心に向かう列車のためか、圧倒的にビジネスマンが多く、満席である。今度も二人掛けシートの窓際席で快適なのだが、車両がかなり古いので窓がくすんでしまって、景色が茶色いフィルターをかけたようにしか見えない。車内サービスは行きと同じく、新聞、水、ジュース、ポットの紅茶、ビスケット、軽食などが次々に配られ、それらを消化したり新聞を読んだりしているうちにあっという間にニューデリー駅に到着する。
またもやニューデリー駅に舞い戻り、駅を出て「こりゃ今日も暑いなー」とメインバザールに向かって歩いていたら、顔中に汗をかいたコリアンガール二人組に声をかけられる。「私たち切符を買いたいんだけど、売場はどこなんですか!このヒトたち、駅の外に付いてこいって言うんだけどホントなんですか!」と、隣にいるインド人たちを指さす。んなわけないやろ。またかいな、ニューデリー駅前名物の嘘つきインド人たち。
途中、信号待ちで路上に停車している際、誰かが近づいてきてワタシの足元をトントン叩くので見ると、片目片腕で両足のない若い男が、車輪のついた手製のスケボーのような板の上に座ってこちらを見上げ、 「マネー」と呟いた。インドで不具者の乞食は山ほど見てきたが、この時ばかりは唐突なご挨拶に一瞬不意をつかれた。停車中の車列の間を縫ってやってきた彼に敬意を表してバクシーシを渡そうと思ったのだが、あいにくタイミングが悪く小銭の持ち合わせがなかった。間もなく信号が変わり、すっかり期待を持たせて片手を伸ばしていた彼を置き去りに、無情にもリクシャーは砂埃をあげて走り出した。すまぬすまぬ。
20年目の印度再訪記<番外編2> 2007年09月16日 コメント(9)
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