音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2009年11月28日
XML
テーマ: musica latina(82)
現代の中南米最高の女性ヴォーカル


 タニア・リベルター(本名:タニア・リベルター・デ・ソウサ・スニィガ Tania Libertad de Souza Zúñiga)は、ペルーのチクラヨ出身の女性歌手。ペルーの伝統的な歌謡(ペルー黒人音楽やクリオーリョ音楽)から、ボレロ、ヌエバ・トローバ、さらには、サルサやブラジル音楽やオペラまで幅広いジャンルの楽曲を歌う。

 1952年、伝統的家族観を持つポルトガル系の父と、先住民系の血を引くペルー人の母との間に、彼女は生まれた。本人が語るところでは、5歳で人前で歌い始めたらしいが、10代になるとペルーの首都リマへ移り、ナイトクラブで歌いながらレコード・デビューを果たす。

 1970年代になると、タニアは海外に出かけ、とりわけキューバ音楽に感銘を受ける。やがて1978年にはメキシコへ移り住むことになる。当時のメキシコ移住というのは、アーティストが政治的理由などにかかわらず自由に活動できる国としてタニアが選択したことのようだ。彼女自身の言では「メキシコという国、音楽を暖かく受け入れてくれる人々を大好きになった」そうだ。以降、現在まで30年以上、メキシコを拠点として音楽活動を続けており、ラテンアメリカ諸国やヨーロッパをはじめ、アフリカのいくつかの国などでもコンサートを行なった経験がある。

 彼女の声は非常に美しく特徴的で、幅広い音域の澄んだ歌声とエモーショナルな歌い回しが多くのファンを獲得してきた。特に筆者は、この人の"揺れるような高音域"のヴォーカルの虜である。ちなみに、声量も凄いらしく、子どもの頃からしばしば悪条件(屋外の悪天候や埃の多い環境)の中で歌い続けているにもかかわらず、歌い始めてから50年以上たった今も声量は衰えないどころか増していると言う。

 前置きばかりになってしまったが、本盤『限りなき愛の歌(アマール・アマンド、Amar Amando、スペイン語で"愛しながら愛す"の意)』は1997年発表のアルバム。曲単位で言えば、ここに収録されていない曲にもいいものがいろいろとある。けれども、アルバム全体として見た時に、トータルな音の調和という意味で、筆者がいちばん気に入っているのが本盤である。中南米系の音楽、とりわけボレロの類が好きな人には特にとっつきやすいアルバムであり、なおかつタニア・リベルターの歌声が堪能できる1枚である。

 ちなみに、彼女は大手レーベルに属さずに活動しているので、アルバムによっては後で入手しにくくなるものも多い。残念なことに、本盤も現在は手に入れにくい状態にある。かく言う筆者も、リリース当時はメキシコのCDショップにたくさん並んでいるのを目にしていたにもかかわらず、このアルバムをスルーしてしまい、後で日本で苦労して手に入れた経験がある。見かけたら即買いをお勧めする。



[収録曲]
1. Aquellas pequeñas cosas

3. Amar amando
4. Pajarillo verde
5. Tu boca una nube blanca
6. Caballo viejo
7. Azul provinciano
8. Sombras
9. La danza clara
10. Serenata
11. Para tenerte
12. La última palabra

1997年リリース(Mulata Records)




にほんブログ村 音楽ブログ ワールドミュージックへ 人気ブログランキングへ









お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009年11月30日 04時28分28秒
コメント(3) | コメントを書く
[ラテン(ロック&ポップス)] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: