音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2010年08月20日
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テーマ: Jazz(2003)
カテゴリ: ジャズ




 リニー・ロスネス(Renee Rosnes)はカナダ出身のピアニスト。リニーというのは芸名で、本名のアイリーンに由来する愛称とのこと。1962年生まれの彼女は、80年代にジョー・ヘンダーソンとの演奏で頭角を現し、90年以降、リーダーとしてアルバムを発表してきた。

 リニー・ロスネスを紹介するのに、"才色兼備"とか"美人ピアニスト"とかいう形容がよくなされてきた。個人的にはあまりそのようなイメージを抱いてはいないのだが、女性ピアニストということで、見た目から入ったそういう売り出し方が効果的だったのかもしれない。けれど、よく考えてみると(というか、どう考えても当り前の話なのだが)、レコードやCDから出てくる音に、その演奏者本人が美人か否かが表現されるわけではない。聴き手の先入観という意味では効果的なのだろうけれど、演奏者の容姿なんぞ実際の音には一切関係ない。身も蓋もない言い方をしてしまえば、美人であろうがブサイクであろうが、音は音、容姿は容姿で関係ないのである。

 さて、そんな文句を言いながら、実際にロスネスの演奏に耳を傾けてみると、何ともまあ"上品な"という表現がぴったりなのだ。奏でられる音は人の容姿を反映するわけではないわけだが、人柄は確かに音に反映されるのだと思う。性格が曲がった人間(必ずしも悪い意味ではなく)が出す音は、どこか一筋縄ではいかない音を出したりするわけだし、正直な人間(必ずしもいい意味とは限らない)が出す音は、よくも悪くも真っすぐだったりということがある。特にジャズの世界(ジャズ・ヴォーカルを除く)は、“歌声”(そしてその声で表現される詞の内容)にかかる比重がないので、詞の内容にも左右されにくく、“音=性格”という図式がより強くなるように思う。例えば、セロニアス・モンク(参考記事は こちら こちら )のヘンテコ具合などは、演奏者の人格が音の中に表現されるという意味ではその典型だと思うし、ウィントン・マルサリス(参考記事は こちら こちら )はきっとどこか“ええ格好しい”な部分があるのだろうと想像してみたりするというわけだ。

 話はすっかりわき道にそれてしまってアルバムの紹介なのか何なのかわからなくなってきてしまった。けれども、そんなところから想像するに、やっぱりこのリニー・ロスネスという人は、容姿云々よりも、知性・上品といった形容の方が合うと思う。奏でられる音一つ一つに“品格”が感じられる。決して“きれいに”あるいは“美しく”弾こうとしているのではない。ごくフツーに演奏して、そこに表現される音から感じ取られるのが、“品のよさ”であり、“知性”なのである。





[収録曲]

1. Storyteller
2. Playground for the Birds
3. Bright Mississippi
4. Diana
5. I.A. Blues
6. Punjab
7. Everything I Love
8. Fleur-De-Lis


[パーソネル]

Renee Rosnes (p)

Lewis Nash (ds: 1.-3., 5.-7.)
Branford Marsalis (ts: 1.; ss: 2)
Ralph Bowen (ts: 3., 5., 6.)
Wayne Shorter (ss: 4.)
Herbie Hancock (p.: 8.)







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Last updated  2010年08月20日 07時06分27秒
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