音楽日記~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2014.04.12
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テーマ: Jazz(2021)
カテゴリ: ジャズ




 1999年録音の 『カイザー』 に続いてライアン・カイザー(Ryan Kisor)のリーダー作として録音されたのが2000年レコーディングの本盤『カイザーII(Kisor II)』。世紀転換期のこの若き(1973年生まれなので、当時は20歳代後半)トランぺッターの出現に、レコード会社や批評家からは、“これからのジャズ界を牽引”とか“21世紀のホープ”のような文句と共に喧伝されていた。

 十数年の歳月が流れた今、少し冷静に捉え直してみると、何か急激に新しいことや革新的なことを期待するタイプの奏者ではなかったのかもしれないと改めて感じている。彼のトランペットの演奏は、実にオーソドックスでスタンダードであり、何か劇的な革新性を期待するタイプのものではなかったように思える。要するに、何が凄いのかと言われると、その“腕前”が極端に抜きんでているのであって、ジャズという音楽の長い積み重ねを21世紀の今に見事に表現できる実力派だというのが正当な評価なのではないだろうか。

 実際、明らかにクリフォード・ブラウンを連想させた前作『カイザー』と同様、今回も先人を連想させるスタンダード名曲を臆することなく披露している。その典型例と言えるのが4.「セヴン・ステップス・トゥ・ヘヴン」で、言わずと知れたマイルス・デイヴィスのナンバー。さらには、同じくブルー・ミッチェルを思い出してならない2.「アイル・クローズ・マイ・アイズ」も収められている。特にこの2.は、そもそも抑揚やわかりやすい聴かせどころが元々あまりない、言い換えれば、演奏者の実力が見事なまでに問われるスタンダード・ナンバーで、ライアン・カイザーの実力発揮にはもってこいの曲だったと言えそう。

 他に本盤のハイライトとなりそうなのは、1.「ザ・ソング・イズ・ユー」と5.「イン・ザ・ナウ」。前者は、勢いのある演奏ではあるのだが、最初から最後までどこかしら肩の力が1つ抜けた余裕を感じさせてくれる。結果、スピードがあるはずなのに滑らかに仕上がっていて、上記の2.と並んで本盤のいちばんの聴きどころと言えるかもしれない。後者は、やはりさらりとした部分のある演奏なのだが、トランペット奏者によってはもっと鋭い音の鬼気迫る演奏にもできそうな曲の典型例だと思う。それをこのように優しく料理できるというのは、彼の本領なのだろう。

 最後に、極めて個人的な感覚ではあるのだが、この盤はぜひ午前中に聴くべし。その訳は彼のトランペットの音色の“柔らかさ”と、どこかしら聴いた後に残る“爽快感”にある。朝や午前中に聴けば、爽快な午後を迎えられること間違いなし、というのが個人的な感想でもあったりする。




[収録曲]

1. The Song Is You

3. The Imposter
4. Seven Steps To Heaven
5. In The Now
6. My Little Suede Shoes
7. Everytime We Say Goodbye
8. Memories of You


[パーソネル、録音]

Ryan Kisor (tp)
Peter Zak (p)
John Webber (b)
Joe Farnsworth (ds)











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Last updated  2014.04.12 07:49:01
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