音楽日記~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2015.08.25
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テーマ: Jazz(2021)
カテゴリ: ジャズ




 1927年生まれのジェリー・マリガン(Gerry Mulligan)は、1940年代から活動し、とりわけ1950~60年代にかけて西海岸ジャズの代表的演奏者として様々な吹込みを残したバリトン・サックス奏者である。そんな彼は、“ミーツ”という風なタイトルによる大物奏者との共演盤(セロニアス・モンクとの『マリガン・ミーツ・モンク』、スタン・ゲッツとの 『ゲッツ・ミーツ・マリガン・イン・ハイファイ』 など)を複数残している。そうした盤の一つが、この『ジェリー・マリガン・ミーツ・ベン・ウェブスター(Gerry Mulligan Meets Ben Webster)』である。

 一方、共演者のベン・ウェブスター(Ben Webster)は、1909年生まれだから、この録音(1959年)時には既に円熟の境地に入っていた大テナー奏者。この人もいろんなミュージシャンと共演して吹込みを残しているが、独特で我が道を行くテナー演奏であるにも関わらず、不思議と“他人を押しのけようとしない”演奏でもあるという印象を受ける。この点は、本盤でも同様であるような気がする。つまり、ジェリー・マリガンがおそらくはバランスを考えてうまく演奏をしているのだけれど、演奏をうまく完成させようとするマリガンの意図を汲んで見事に演奏しているのは実はベン・ウェブスターでもあったりするんじゃないか。

 真相はともあれ、そんなことを想像させられるほど、この2人の演奏は見事なまでにかみ合っている。その一つの典型例は、1.「チェルシー・ブリッジ」であって、この曲だけでも本盤を聴く価値ありの名演奏。甘く郷愁を誘うウェブスターのテナーに優しく寄り添うマリガンのバリトンのテーマ部分からその後の各ソロにいたるまで、とにかく優しさと美しさに溢れている。

 バラードだけが本盤の髄というわけではない。個人的には、日曜の朝のくつろぎの時間に聴くと実にすがすがしい気分になれる3.「サンデイ」。アップテンポでほんわかと始まり、曲の進行とともに適度なタイトさと流れるような勢いが続き、ピアノのソロなどもはさみながら起伏にとんだ演奏が繰り広げられるという、これもなかなかの名演。あと個人的には、6.「ゴー・ホーム」も聴き逃せない。ただ演奏を“かみ合わせ”ていくだけじゃなく、どう重ねたり掛け合ったりするかで、こんなスリリングな演奏にもなる。そんなわけで、一つのトーンにまとまることなく、起伏に富んでいるのもこの盤のよさと言えるように思う。


[収録曲]

1. Chelsea Bridge
2. The Cat Walk

4. Who's Got Rhythm
5. Tell Me When
6. Go Home


[パーソネル、録音]

Ben Webster (ts)
Gerry Mulligan (bs)
Jimmy Rowles (p)
Leroy Vinnegar (b)
Mel Lewis (ds)

1959年11月3日~12月2日録音。






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Last updated  2015.08.25 20:16:30
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