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より良い明日をめざして



 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。(日本国憲法 前文)
2024年11月28日
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テーマ: ニュース
カテゴリ: ニュース
テレビをほとんど見ることのない私は、当然のことながらテレビ番組のことなど知らないのであるが、今月発売の月刊「創」に掲載された映画監督の森達也氏が連載しているコラム「極私的メディア論」によると、NHKテレビは17年前から、国内の映像コンクールで表彰された番組をまとめて一挙に放送するという企画を実行していて、民間放送局が制作した番組であっても優秀作品とされたものは堂々と放送しているのだそうで、今年はどのような番組が受賞したのか、次のように紹介している;


 10月後半、毎年恒例のNHK-BS「ザ・ベストテレビ」の収録が行われた。

 この1年間で国内の代表的な映像コンクールで最高賞を受賞したドキュメンタリー番組を一挙に放送する「ザ・ベストテレビ」は、17年前に第1回が放送された。そして僕は、初回からずっとゲスト・コメンテーターを務めている。

 NHKで民放の番組が放送される。今でこそNHKと民放のコラボは時おり企画されるが、当時としては相当に画期的だ。誰もが実現は無理だろうと思っていたし、企画段階で相談を受けた僕も、相当難しいだろうなと思っていた。

 でも当時のNHKのプロデューサーやスタッフたちはあきらめなかった。ハードルをひとつずつクリアして、遂に実現にこぎつけた。

 収録は最初のころは華やかだった。初回か2回目か3回目か正確には覚えてないけれど、当時のゲスト席はひな壇で(つまり数が多い)AKB48や芸人たちが座っていたことを覚えている。でも回を重ねるごとに予算は少しずつ削られて、ゲストーコメンテーターの数も少なくなった。

 ただし受賞作を最初から最後まで放送して、その後にスタジオに呼ばれた当該番組のディレクターやプロデューサーがゲスト・コメンテーターからの質問に答えるというスタイルは、初回からずっと変わらない。

 ここ数年のゲスト・コメンテーターの顔触れは、森達也とノンフィクション作家の河合香織、そしてヴァージル・ホーキンス大阪大学大学院教授の3人だ。司会はNHKの顔である三宅民夫アナウンサー。2017年に退職したが、今も「ザ・ベストテレビ」の司会は続けている。今回のグランプリ受賞作を以下に記す。

○放送文化基金賞最優秀作品 『膨張と忘却~理の人が見た原子力政策~』NHK

○日本民間放送連盟賞テレビ報道番組 部門グランプリ『こどもホスピス~ いのち輝く。第2のおうち々~』朝日放送テレビ

○日本民間放送連盟賞テレビ教養番組部門グランプリ『20年目の花火』鹿児島テレビ放送

○ATP賞テレビグランプリ・ドキュメンタリー部門最優秀作品『新・爆走風塵~中国・トラックドライバー 生き残りを賭けて~』NHK

○地方の時代映像祭2023クランプリ『立つ女たち~女性議員15%の国で~』NHK

 例年はここにギャラクシーと芸術祭のグランプリが加わるのだけど、2023年のギャラクシーはドラマ『フェンス』が大賞作品となり、芸術祭は主催する文化庁が終了を発表したので、今年は5本だけだ。

 少し話が逸れるが、芸術祭終了は唐突だった。理由もよくわからない。釜山映画祭に行ったとき、国を挙げてエンタメや文化を支援する韓国の姿勢を実感したと以前にこの連載で書いたけれど、日本における芸術や表現、アカデミズムに対する国の支援は、(特に安倍政権以降)先細りする一方だ。

 今回はすべての番組のディレクターがスタジオに来て、質問に答えてくれた。

『膨張と忘却』の放送枠はETV特集。国の原子力政策に長年関わってきた研究者の吉岡斉さんが残した吉岡文書の発見をきっかけに、原発政策決定の舞台裏で行われていた虚偽と欺瞞に迫った作品だ。観れば誰もが、こうした政策決定の果てに福島原発の爆発があったのかと驚きあきれるはずだ。ディレクターは石濱陵。

 観て本当に悔しい。この番組が放送される少し前に岸田政権は、原発再稼働の加速と新増設に踏み込んだ原子力政策の大転換を宣言した。福島の記憶と教訓は見事に消えた。本来ならありえない。 今年の夏はこれほどに暑かった。でも電力不足の声はほとんど聞こえない。なぜこれ以上に原発を増やす必要があるのか。 その政策決定の裏舞台で、自民党の政治家たちと原発関連企業がいかに癒着していたかを知れば、誰もがもう原発は必要ないと思うはずだ。

~ 以下省略 ~


月刊「創」 2024年12月号 66ページ 「極私的メディア論 第191回 ザ・ベストテレビ」から一部を引用

 日頃は政府の広報機関かと思わせるような「政府・自民党よいしょ番組」ばかり放送しているイメージのNHKであるが、中には骨のある職員もいて、報道機関としての使命を忘れることなく「真実」の報道のために努力する人々も存在し活躍しているという話は、なかなか感動的と思いました。それにしても、森氏が釜山映画祭に行ったときに考えた「国を挙げてエンタメや文化を支援する韓国と、文化関係の予算はどんどん削る日本」という比較は、この先の日本がどういう「運命」を辿るのか、一抹の不安を禁じえません。





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最終更新日  2024年11月28日 01時00分10秒


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