ぼくの細道・つれづれ草

ぼくの細道・つれづれ草

2009.09.07
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  「ところがだ。室町時代に吉山明兆という絵師がおってな。
   明兆は京都東福寺の殿司というて、まあ、寺の仏具やら
   宝物やらを管理する役僧を務めていたらしい。
   だからな、兆殿司という名でもよばれている。」

  「へえ、さようでございますか。ところでその絵師と猫と
   どんな関わりがございますので?」

   そうそう、先生の話ってのは相変わらずもってまわって
   なかなか核心に触れてこないことがあるのだ。

   拝聴することにしたものである。

  「そうそう、ここからが肝心なところなんだな。明兆はそ
   のとき、とてつもなく大きい釈迦涅槃図の製作にとりか
   かっていた。なにせ、縦三丈九尺、横二丈六尺、我が国
   の涅槃図としては第一の巨幅とされている。
   ところが、明兆がこの巨幅を描いていると、飼っている
   猫が近寄ってきて、じっと物思わしげに明兆の手許を見
   つめているではないか。。そして悲しそうに鳴いたのだ
   そうな。
   『おお、よしよし、お前もこの絵に入りたいのか、そう
    か そうか。』

   たというのだな。涅槃図のなかに、猫も描かれるように
   なったのは、どうもそれかららしい。長谷川等伯描くと
   ころの羽咋妙成寺の涅槃図にも猫が描かれている筈だよ」

   ああ、よかった。
   あたしら猫の眷属も明兆とやらのおかげで、漸く面目を




  「





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Last updated  2009.09.07 14:12:22
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