本読みのひとりごと

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読むこと、書くことが大好きなbiscuitです。
夫、元気すぎる2人の息子と4人暮らし。

新聞記者を経て、フリーランスライター/エディターに。

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biscuit5750

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biscuit5750 @ Re[1]:木々との対話(09/12) >micoさん こんにちは!すっかりご無沙汰…
mico@ Re:木々との対話(09/12) bisさん、こんにちは。まずは次男くんのご…
biscuit5750 @ Re[1]:さようなら、クウネルくん(01/27) >micoさん お久しぶりです! コメントを…
mico@ Re:さようなら、クウネルくん(01/27) クウネル。新装された表紙を見てお別れし…
biscuit5750 @ Re[3]:子どもを持つことの不自由と、自由(11/17) >バーソロミューさん お久しぶりです! …

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テーマ: 自転車(13589)
カテゴリ: お散歩日記
なくしました。買って半月も経たない愛車(オレンジの3段ギアつきママチャリ!)の鍵を。

夜、腕が抜けるほどたくさんの買い物袋(ワインと水2リットルと牛乳入り)を抱えて、今朝契約したばかりの駅前駐輪場に行ったら、入れたはずの場所に鍵がない!ない!ない!

駐輪場のおじさんに荷物を見ていてもらって、2週間前、るんるん気分で愛車を購入した自転車屋さん「りんりん」までとぼとぼ歩く。

「えっ、もうなくしたんですか?しかもスペアキーまでいっぺんに!」と「りんりん」のさわやかなお兄さんもさすがに驚いた様子。
調べてもらったら、最新式の鍵なので、マスターキーなしで合鍵を作ることはできず、鍵を壊して新しいものと替えるしかないそうです。とほ。
「申し訳ないのですが、もう閉店時間を過ぎているので、この台車に自転車の後輪を乗せて、明日、自転車を持ってきていただけますか」とつれないお返事。
4つキャスターのついたちっこい台車を借りて、また駐輪場まで戻る。
今日は新しい職場へ挨拶に行ってきたので、わるいことにきゃしゃなパンプスを履いている。足が痛いよう。

「どうだった?鍵」と駐輪場のおじさん。

「自転車屋さんは遠いのかい?」
「いいえ。お寺さんの裏の。歩いて15分くらいです」

とは言え、この大荷物を、自転車なしで家まで持って帰るのはしんどい。
仕方がないので、やさしいおじさんの手を借りて、回らない後輪を台車に乗せ、荷物を前かごとハンドルと両腕にぶら下げ、自転車を引きずって歩き出すも、バランスがとれなくて、すぐ自転車がひっくり返ってしまう。
食パンとジャムを道路にばらまいたりしながら、大荷物と自転車を抱きかかえるようにしてもう半泣きで歩いていたら、交差点で知らないご婦人に「ちょっと聞いてもいい?」と話しかけられました。「自転車、どうしたの?」

「実は、鍵を落としたんです」
「あらー。それで。若いおじょうさんだから、自転車に乗れないということもないだろうに、どうしたんだろうと思って見ていたの。後ろの車輪はどうなっているの?」
「これ、自転車屋さんで借りた台車なんです。鍵を落とした人用の。これに後輪を乗せて運ぶんです」
「まあ。そんなものがあるのねえ。すごいわねえ。気を付けてね」

というわけでご婦人とも別れ、家まで歩いて15分の道のりを、1時間近くかけてようやく帰宅。足は豆だらけ、腕はじんじん。スーツのズボンにはあちこち油汚れが!
もうぜったいにこんな思いはしたくないので、便利屋さんに電話をかけて来てもらい、鍵を壊してもらうことに。


「あの、大家さん。実は自転車の鍵をなくしてしまって。壊してもらわないと動かせないんですが、何分間か大きな音をたててもいいですか?それから外の電源もお借りしたいのですが」とお願いすると、「どうぞどうぞ」と大家さん。
それどころか、「この鍵で開かないかなあ」と、自分の自転車の鍵を持ってきて鍵穴に差し込んでくれたり、火花を散らして鍵を焼き切る作業を一緒に見守ってくれたり、何だかおじいちゃんみたいなのでした。

そんなこんなで後輪は無事回るようになったものの、いざ鍵がなくなってみると、今度は盗難が心配。
100円ショップで買ったダイヤル式の鍵をとりあえず巻き付けてみたものの、こんなの気休めだものなあ。
目立ちたがりの性格が災いしてぴっかぴかのオレンジ色。見るからに新品だし、もっと悪いことに3段ギアだし、鍵もわざわざ壊してしまった。明日の朝までに盗られたらどうしよう…と思ったら心配で、夜中にパジャマのまま、何度も自転車の無事を確認に行く。いま考えると怪しすぎる。これじゃわたしが自転車泥棒みたいだよ。ひとに見られなくて本当によかった!


自転車の鍵をかばんから取り出して「カチッ」とはめ込む瞬間は、うれしくて思わず顔がにやけてしまう。

あれから大家さんとはなんとなく心が通った感じになり「自転車はもうだいじょうぶですか?」「はい。すごーく立派な鍵をつけてもらいました」と挨拶だけじゃない会話ができるようになりました。よかったよかった。
ひとり暮らしってたいへんだなあ…というか、どじなわたしの人生ってたいへんだなあ。と実感した出来事でした。


で、数日後。

自転車のある生活も戻ってきたことだし、汚れたズボンでも洗っておこうかとクローゼットから取り出したら、何やら硬い手触り…
もしや…?と思ってポケットに手を入れたら、なくしたはずの鍵がぽろんと出てきたのでした。ちゃんちゃん。


…そんなこんなで、この鍵はもう二度と使わないけれど、わたしに下町のあったかさを教えてくれた大切な鍵なので、処分しないで宝物箱にしまっておこうと思うのです。





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Last updated  2006.05.08 23:53:36
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