書評日記  パペッティア通信

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Jun 13, 2005
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カテゴリ: 政治



われわれには、あまり馴じみのない、明治憲法体制下の議会政治家たち。
6つのテーマで12名の政治家をえらびだす。
明治から昭和前半にいたる、政治家群像。

「憲政の神様」          犬養毅と尾崎行雄。
「首相の座をめぐる明暗」   床波竹次郎と浜口雄幸。
「雄弁家」            永井柳太郎と西岡竹次郎。
「策士」              森恪(つとむ)と秋田清。
「地方政界から国政へ」    木下成太郎と田辺七六。


キャリア官僚出身政治家の草分けだった床波の挫折。ジャーナリストから転進した犬養・尾崎の軌跡。犬養に気に入られ、政界再編に奔走する秋田。日中戦争中、副総理格に登りつめた永井と、都市型政治家の先駆け西岡。地元政界に睨みを効かした田辺。戦時議会下、政治の危機にあって、軍部と妥協と交渉を重ねた前田。

われこそは、選挙民の負託をうけたるものなり!
官僚や軍部、藩閥などと張りあう、議会政治家の気概がここちよい。

でもね。

現代の政治家も、棺桶に入れば評価されるものさ。「昔は全存在をかけた」「日本人も学べ」という、編集者とおぼしき人が書いた、表紙裏の「あおり」の胡散臭さが鼻につく。全存在をかけない政治家など、そもそも名を残しはしない。「あ~う~」宰相大平正芳は、「保守本流の見識」を代表する政治家にされたではないか。安倍晋三など人気者は、これとは逆になりやすい。

また筆者の二大政党制にこだわるな!「大同団結」「保守合同」をとなえる政治臭も、この本の価値を随分さげています。だいたい何故、日本に定着しないはずの二大政党制が、それでも必ず回帰してきて、しかも一定の成功(あんな社会党でも、それなりの成功をみているとはいえる)をみるのか。その考察が決定的に欠けているのではないか。「同じような主張」ならば2つもいらない? 一見同じにするため、どれくらい「2つとも」苦労しているか。筆者は「中道化原理」を学ばれた方が良いのではないか?

過度の歴史主義は、悪質な政治プロパガンダに利用されやすい。

文春新書らしいとはいえ、その見本のような著作を読まされると、いささかゲンナリさせられてしまう。この書では、こうした「一方的な思い入れ」からくる、前田米蔵など「戦時議会」部分の面白さが際だっています。それだけに、なんかとても残念におもえます。

評価 ★★☆
価格: ¥735 (税込)

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Last updated  Aug 25, 2005 02:01:43 AM
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