書評日記  パペッティア通信

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Aug 30, 2005
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カテゴリ: 政治
asahi


困ったものです




 記事は21日付朝刊2面に掲載された新党結成をめぐる「『第2新党』が浮上」と22日付朝刊3面に掲載された「追跡 政界流動」の2本。
 同社によると、長野総局で県政を担当する西山記者は、亀井静香・元自民党政調会長と田中知事の会談場所について、田中知事から取材したような内容の情報を社内に報告。この情報を基に同社は21日に「両氏が長野県内で会談した」との事実と異なる記事を掲載。22日にも田中知事が「亀井さんも、郵便局を守れっていうだけでは選挙に負けますよ。サラリーマン増税反対とか、もっと言うことがあるでしょう」などと話したとする西山記者の虚偽情報を基にした記事を載せた。
 23日の定例会見で、田中知事が「確認取材を受けていない」と指摘したことから、社内調査を実施した。西山記者は調査に対し「田中知事からこれぐらい聞けるんだというのを総局長に見せたかったのかもしれない。あとから考えれば功名心だったかもしれない」と話しているという。
 その他の処分は▽金本裕司・長野総局長=減給・更迭▽脇阪嘉明・東京本社地域報道部長、持田周三・政治部長=けん責▽曽我豪・政治部次長=戒告▽吉田慎一・常務取締役編集担当=役員報酬減額10%3カ月。処分は29日開いた臨時取締役会で決め、田中知事と亀井氏側に謝罪した。同社は30日朝刊で「おわび」記事を掲載し、読者に説明するという。
 ▽吉田慎一・朝日新聞社常務取締役(編集担当)の話 あたかも取材をしたかのような報告メモをつくり、それが記事になるという、朝日新聞の信頼を揺るがす極めて深刻な事態が起きてしまいました。田中康夫・長野県知事や亀井静香・元自民党政調会長ら関係者と読者のみなさんにも深くおわび致します。特別チームを社内に立ち上げ、傷ついた信頼の回復のため具体策を早急に公表します。

 ■朝日新聞の発表内容要旨

 社内調査によると、西山卓記者は長野総局長らを通して政治部から亀井、田中両氏が「(8月)中旬に2人が会っていた」という情報について情報があったら知らせてほしいと頼まれていた。
 記者は20日、長野県塩尻市で開かれた車座集会で取材をしたが、国政に関する話は出なかった。その後、田中知事に対する直接取材をしなかったが、2人が長野県内で会談していたと知事から取材できたかのような虚偽の情報をメールにし、総局長や県政キャップ、政治部記者に送った。
 発覚の端緒は23日、知事が県庁で開いた定例会見。知事は「亀井氏と会ったのは東京都内であり、長野県ではお目にかかっていない」「この件について朝日新聞記者の確認取材は受けていない」などと指摘した。
 21日付朝刊の「長野県で会談」という部分と22日付朝刊の記事中、亀井氏と会談した知事が「亀井さんも、いろいろ大変かもしれないけど、郵便局を守れっていうだけでは選挙に負けますよ」などと話した、とされている部分が、いずれも虚偽情報に基づいていたことが判明。さらに、第2新党結成の前日に知事が「民主党だけでなくいろいろな政党に友人がいる」と周囲に漏らした場面や「郵便局守れだけでは」の見出しも、こうした虚偽情報に基づくものであることが分かった。
 社内調査に対し、記者は「知事からこれぐらい聞けるんだというのを総局長に見せたかったのかもしれない。あとから考えれば功名心だったかもしれない」などと話している。
(毎日新聞)


これはとても深刻な問題です。
これを、伊藤律架空会見や、珊瑚礁など一緒にすることはできない。
比較にならないほど重大な問題です。

3大全国紙の筆頭、 朝日新聞の強みとは、
です。

これに匹敵するのは、天下のNHKか、読売新聞か、共同通信程度。
他紙では、まるでお話にもなりません。



岩見隆夫、岸井成格などの大物記者の取材力に依存する毎日新聞。
政治家にとりこまれ、ウェットな浪花節に堕してしまう読売新聞。

その点、政局になっても比較的ウェットにならず、同時進行する政治劇において、その組織力とアンカーによって俯瞰的に追ってゆく、朝日新聞の政治記事のスタイルは、なかなか重宝するものがあったわけです。こうした組織取材というスタイルは、朝日新聞の政治面における、署名記事の少なさ、にもつながっているといえるでしょう(この点、毎日新聞以外は同じ)。 組織力と署名記事の少なさは、表裏一体 でもあるのでしょう。

今回の衝撃は、その朝日新聞最大の「強み」、組織力とアンカーによって構成するスタイルが、モロ裏目にでてしまったことにあります。組織取材でも、やはり最後は記者に依存せざるをえません。その強みを支えていた組織力も、記者が蝕まれていてはどうにもならない。車体を動かす、タイヤがパンクしているようなものです。今回の朝日の失態は、そのことを示している訳です。

悲しいかな、はっきりいって朝日の編集局は頭をかかえているでしょう。
決定的な対策を打ちようがないからです。

社内チェックといっても、取材源にあたれない整理部や校閲部では、真偽をチェックしようがありません。どこまでも、出稿元である「●●」部記者を信用するしかない。ヘタに一線記者を上層部が締めあげても、逆に士気をおとしてしまうだけでしょう。組織力を最大の強みとしていたがゆえに、今回の失態はあまりにも深刻です。縮小再生産・守りの姿勢に走っているがゆえに、今回の事態はおきたなどとはおもいたくありませんが、そう思わざるを得ないものがあります。

荒療治ではありますが、
やはり<原則署名記事化>以外ないのではないでしょうか。

今のところ、組織取材の必要がない、スポーツ面や国際面にしか署名記事はありませんが、これを組織取材、アンカー署名にまでおしすすめてゆく。出世しないと署名記事がかけないという今のあり方は、ジャーナリズムとしての志をいだいて、入社してきた人々を満足させるものとはいえないはずです。入社したばかりの人々にも、足を使って取材させることを徹底的にさせるためにも、署名記事化は有効のように思えるのですがどうでしょうか。

朝日新聞にもとめられているのは、強みを損なうことなく、

一刻も早い立ち直りを期待したいとおもいます。

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Last updated  Dec 3, 2005 08:33:21 PM
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