書評日記  パペッティア通信

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Sep 17, 2005
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カテゴリ: 政治
maehara


まずは、おめでたいことでしょう。

この2名、
「護憲派 VS 改憲派」「ベテラン VS 若手」
とされたけど、それはどうだろうか。

昨年2004年1月。産経新聞に以下の記事が踊った。


民主党は13日午後、都内のホテルで16年度定期大会の本会議を開いた。
菅直人代表はあいさつで「真の国民主権を実現するには
市民革命に代わる
幅広い憲法制定運動が必要だ 。18年までに民主党として新たな憲法の
在り方を示したい」と述べ、党内での本格的な改憲論議を要請。自衛隊と
別組織の「国連待機部隊」を創設し、国連の活動に積極的に参加する構想に
ついても検討する方針を表明した。


「市民革命」の代替物としての憲法制定 。これを最初聞いたとき、菅直人の政治的嗅覚の鋭さには、ほとほと感心させられた。


そんな、使い古しの二項対決に対して、日本国憲法のもつ理念を一層進める「第三の選択」の提起。これを前にしたら、前原誠司に代表される民主若手の「集団自衛権容認」論でさえ、旧態依然の改憲論にしか聞こえない。 この提起のすごさは、「国連待機部隊」などの余分な議論を招き入れてしまうとはいえ、「護憲か、改憲か」の不毛な対立を完全に揚棄して、「創憲」のラインに回収してしまったことにあるだろう 。それまで菅直人は、好きな政治家の一人ではあった。この提起以降、尊敬、いや畏敬の念さえ覚えたことを、不肖ながら、告白せねばなるまい。

たしかに、これまで菅直人は、戦後の左翼政治家の中で、傑出した力量をもつ存在として、自他ともに認めてきた。しかし、この評価でさえ、過小評価にすぎないのではないか。この100年間で、菅直人はもっとも傑出した理念と実践をあわせもつ、政治家ではないのか。


ここで簡単に日本政治史をおさらいしておきたい。


政府からの利益誘導によって、政党の傘下に網の目のように各種利益団体をはりめぐらして、全国レベルで地盤を培養する…この 世界中の開発独裁国家の支配政党に模倣されたスタイルの起源は、なにあろう、「平民宰相」原敬と立憲政友会にいきつく 。「我田引鉄」…戦後、「名望家支配」が崩壊して、「議員後援会」というスタイルが主流になっても、田中派・経世会支配による「学歴エリートから非学歴エリートへの指導層の転換」がおこなわれても、それはかわることはなかった。 この国において、官から離れて、抵抗軸を立ちあげることは、あまりにも困難な事業であった 。旧・社会党のシンクタンクと手足を思い出そう。それは、東大経済学部と総評(官公労)ではなかったか。

菅直人という存在の凄さ、斬新さ。
それは、あらためて言うまでもないことでしょう。

100年来、誰にもなし遂げられなかった、さまざまな事績と新しい手法の提示。労組とも業界団体とも離れて、生協などの市民運動に立脚した選挙の創始。官僚支配の打破の実践。「イラ菅」や愛人問題。小沢一郎との合同…さまざまな、妥協と浮沈を重ねながら、前回の総選挙、政権交替の「一歩手前」まで至ったのだ。それは、この100年来、もっとも革命(にかわるもの)に近づいた、輝ける瞬間であったことは、誰の目にも疑いようがないだろう。

だからこそ、今回の民主党代表立候補は、無惨であった。

菅直人を含めただれもが、菅直人の「神話」に頼りたかったにすぎない

その「神話」にすがりたいものにとってさえ、
菅直人「本人」の存在は、あまりにも重荷ではなかったか。

2票差の、前原誠司新代表の誕生劇。
たしかに、菅直人「本人」は敗れた。いや、前原誠司に体現された「世代交替」の「神話」にすがっただけだ、とシニカルに語ることも許されよう。すくなくとも、民主党議員たちは、菅直人のもつ「神話」にすがらなかった。一見、「神話」は完全に終焉をむかえたようにおもえる。

そこには、微妙なアレンジが加えられているとはいえ、これまで菅直人という政治家の実体によってしか体現されていなかったものが、脈々と受け継がれていることが確認できよう 。「神話」から「綱領」への昇華の路程。神話の「終焉」とその劇的な「再生」劇でもあった、代表選。

民主党は、決して崩壊することはない。
次の幹事長・政調会長人事を間違えなければきっと立ち直る。
それを確信させてくれるような、記者会見であったことが、
とても嬉しい。

新代表と新生民主党に幸有らんことを。


<追伸>

河村たかしもいた方が、にぎやかでよかったとは思うけどね。

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Last updated  Dec 3, 2005 08:36:38 PM
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