書評日記  パペッティア通信

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Nov 29, 2005
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カテゴリ: 政治




1968年1月18日~19日。
東京大学安田講堂における、全共闘と機動隊の攻防戦。

絶大な権威を誇った帝国大学総長の地位が、
たかだか一警備課長以下の地位に転落した、
あの歴史的な事件。

このとき、安田講堂に立てこもった人物による、「東大紛争」の発端から終焉までを描いた新書が出版された。「本郷学生隊長」を任せられ、 三派全学連(中核派、社会主義学生同盟{ブント}、社青同解放派) のひとつと関係のあった人物による、稀有の証言記録。その戦いは、涙なしには読めない、壮烈な「義」の物語になっているのだ。

発端は、些細なことだった。



そんな中で、ひとつの事件がおきた。
60年安保でも、大学当局の暴力的な学生管理によって、学生運動の無かった日本唯一の大学、日本大学。そこで、5年間20億円、総額30億円もの「使途不明金」が発覚して、会計責任者はなぞの自殺をとげたのだ。

団塊の世代 」で膨れあがっていた大学。私学は、定員の5倍もの学生をつめこんでいたらしい。 教室に入りきれないことを前提とした、最高学府 の退廃ぶり。日当千円にも満たない時代。苦学生の多い日大。そこに、1学生あたり3万円もの使途不明金は、やり場のない怒りに火をつけることになった。5月、秋田明大(あきひろ)を中心として、学生たちは「日大全学共闘会議」をたちあげる。 理事の退陣、経理の公開、集会の自由 を要求してデモをおこなう。何千人もの学生の追及を前に、当局はロックアウトで応戦。右翼「学生会議」は、角材を学生にふるい、催涙液をかける。6月下旬、機動隊導入に反発した日大生は、経済学部を奪還、バリケードを築いて、医学部を除いて全学ストライキに突入した。

先の見えない東大医学部闘争。日大闘争に刺激されたのか、6月15日、医学部全学闘争委員会は、第一次安田講堂封鎖をおこなう。6月17日、機動隊を導入して排除をおこなった大学当局。これには東大全学が激昂。7月2日、一部学生による安田講堂再封鎖は、工学部・教養学部の 「安田講堂封鎖支持」「無期限ストライキ」決議と、「東大闘争全学共闘会議」(東大全共闘 :5日)結成を引き出すことに。それは、それまでの各学部・各党派代表によらない、ノンセクト組織の誕生だった。まとめ役の議長に選ばれたのは、理学部院生であった山本義隆。バリケード闘争のはじまりである。

バリケードこそ真実の大学 』。

そうまで、学生に思い詰めさせていた日大紛争は、1968年9月、その頂点に達した。機動隊のバリケード解除。何千・何万もの学生たちによる再奪還。くりかえされる衝突。医学部まで歩調をそろえる全学ストライキと機動隊員の死。9月30日、たまりかねた大学当局のひらいた「全学集会」は、冒頭「機動隊員の追悼の辞」から始められ、2万人もの人並みによる「大衆団交」に発展。日大の会頭は、辞職を表明。それまでの措置の撤回と自己批判がおこなわれたのだ。 日大全共闘の輝かしい勝利の瞬間!! 日大当局は 、全学集会の取り決めを反故し、10月以降右翼・体育会系・機動隊を次々と投入、 バリケードへの放火 まで始める。それでも日大全共闘は戦いをやめない。

その頃、東大闘争も佳境を迎えていた。「10.21国際反戦デー」では、全国各地で30万人ものデモがおこなわれ、10月31日にはジョンソン大統領が北爆を停止する。希望に燃える学生たち。法学部自治会も、学部創設以来の、無期限ストライキ権確立。全学助手共闘会議は、全共闘に合流した。11月22日夜、日大全共闘3000名が、東大安田講堂前に出現して、闘争は最高潮をむかえた。機動隊の包囲をやぶっての、 日大・東大両全共闘の感動的な合流 。ところが、その絶頂で、またしても暗転してゆく。

すでに9月、日本共産党は東大の主導権を奪還するため、 宮崎学率いる「あかつき部隊」を投入して教育学部棟を占拠 全共闘と日本共産党の主導権争いは、壮絶なゲパルト(実力行使)へと変質 してゆくのだ。無期限ストライキと安田講堂封鎖を解除させ、 東大正常化で佐藤政権に恩を売りたい日本共産党 と、『全学封鎖決議』をおこないたい全共闘。 双方の提出するあらゆる議案は、ことごとく否決 、否決、否決、否決、また否決…。

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Last updated  Jan 1, 2006 11:08:00 PM
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