みんなで積み上げてきた空間というものがある。誰でもきっと人生でいくつもの空間、積み上げて、いくつも空間が崩壊していくんだろうけど、夢のあとはいつもなんとも言えない気持ちになる。僕の少年時代は転校が多かった。友人関係や自分の部屋、せっかく積み上げた空間はむなしく崩壊した。そしてまた新しい場所で積み上げる。ずっとこんな事を繰り返しいる気がする。

15年前、この国あげてのお祭りのど真ん中に僕はいた。入場料10万円の ディスコ 、僕は時給8000円ももらってそこで働いていた。誰もが浮かれていて、誰もが酔っていた。DJブースからその様を毎日見下ろすのが僕は好きだった。ある日予告もなく巨大ディスコは 500億 の負債とともに消滅した。
　その後やっと軌道にのった代官山の事務所も、突然やってきた大不況とともに、おととし消滅した。夢のあとはいつもなんとも言えない気持ちであふれる。でもまた新しく積み上げていくのは楽しいと思う。これからも何度も何度も失って、そしてまた積み上げていって、永久にそんなんでいいと思っている。