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後期最後の授業。かれこれ50時間は寝てない。高田の馬場駅のアトムの電車到着音がやけに耳につく。最後は生徒の作品をひとつひとつ発表してもらった。才能というのは意識しないと見つけてはあげられない事が多い。みんなそれぞれ才能がある。"下手"とか"うまい"という評価はさして上等のものじゃない。
"下手"の中にこそ将来輝くためのヒントが隠れているものだ。
みんないろんな才能を持っていている。中でもおもしろい才能を2つほど見つける。俺は他の生徒の手前なんてあまり考えない。素直にほめる。この子たちが30年後に世界の賞を総なめにしてるかもしれない。どんな小さな才能の中にもその可能性はきっとある。
でもそのためには30年後まで、"好き"でい続けなくてはいけないと思う。何かを"好き"になるより、ずっと"好き"でいることのほうが遥かにむつかしい。
僕がたったひとつ信じている超常現象は"好き"でい続ける事で起こる奇跡だ。
スポーツでもアニメでもアイドルでも片思いの恋人でもなんでもいいんだ。自分が好きで好きでたまらないものをもってる人はそれだけで幸せなんだ。世間体なんかいいじゃないか。それより"好き"でい続けられている方が遥かに価値のある事だ。ずっと"好き"でい続ける事は、口に出すより遥かにむつかしい事なんだ。10年たてば最初の思いをみんな忘れて行く。だけどもし最初と同じ様に"好き"でい続ければ、その時間に見合う奇跡は必ず起こる。