むかしむかし、とある「アマシマック星」という星に「バカダネ」という生物が生存していました。 バカダネは地球人類のもっともっと進化した生物でした。 そんなバカダネも地球人類と同様、バクテリア、植物、生物の誕生、そしてバカダネの誕生と進化を辿ってここまできたのでした。 進化の極限まで達したバカダネは、星の反重力で浮上し、星の磁力で移動できる乗り物を開発し、アマシマック星内だけでなく、他の星まで自由に行き来するほどでした。 そんなバカダネにも頭を悩ます事がありました。 それはバカダネが増えすぎて住む場所・食べ物が追いつかなくなってしまったことです。 食べ物を確保する為、生物の改良を日々重ね、1日で成長する植物・動物を開発しましたがとても追いつきません。 住む場所も他の星への移住の検討・開発を進めて行きましたが、バカダネの増加には追いつきませんでした。 バカダネの増加に頭を悩ましたアマシマック星最高責任者は、科学者達にこの危機的状況を一日でも早く解決するよう命じました。 科学者の中に「イカツノミカ」という女性科学者がいました。 イカツノミカは 「アマシマック星のバカダネを含む動物・植物などの全ての生命は、アマシマック星の持ち得ることの出来る生命の容量を超えることはない」 という持論を持っていました。 要は、 「バカダネが増えることにより、その他の生命が確実に減少し、アマシマック星の生態系が狂ってきている」 という事です。 そして 「バカダネが新しく作った生命は神の領域を侵害している。生命の改良を即刻止め、アマシマック星の持ち得ることの出来る生命の容量を超えない別のやり方を考えるべきだ」と言っていました。 そんな彼女が考案した打開策「当面の間バカダネを小さくして、アマシマック星内に住む場所と食べ物を確保し、他の星への移住の体制が整えば移住して行く」が認可され、バカダネが小型化される事になりました。 バカダネ小型化計画は、進化の極限まで達したバカダネにとってそう難しいことではありませんでした。 ほんの数ヶ月でバカダネ小型化装置の開発が終わり、生活施設が建設され、バカダネの小型化が進められていきました。 小型化されたバカダネは「現在の外気温では生命の維持ができない」との研究結果から、水の中での生活となりました。 小型化されたバカダネの生活は快適そのもので、住む場所も食べ物も全く気にする事はなく、宇宙開発の為に宇宙に出ているバカダネ以外の全てのバカダネが小型化されました。 そんな快適な暮らしを送っているバカダネに突如異変が起こりました。 それは酸素製造装置の故障です。 水の中での生活を余儀なくされたバカダネにとって酸素製造装置は非常に重要なものです。 一刻も早く修理しなければ生命の維持ができません。 しかし、この酸素製造装置はバカダネが大きかった時の物を使用していました。 「バカダネ小型化はあくまで短期的なものであり、故障など考えられない現在の酸素製造装置を小型化する必要はない」 との科学者達の考えが裏目に出たのです。 酸素が無くては生きて行けません。 多くのバカダネが「我先に」と外気を求めて生活施設の外へ出て行きました。 生活施設の外、それは大きかった時のバカダネが生活していた場所です。 小型化されたバカダネにとっては巨大で頑丈な乗り物であっても、アマシマック星の他の生物にとって、それは水に浮かんでいる小さな藻くずのようなものです。 多くの脱出用の船は、元々自分達が食用にしていた生物にいとも簡単に食べられてしまいました。 残ったバカダネ達は一刻も早く酸素を作る必要がありました。 しかし、装置を作る道具がありません。 そこで、得意分野であるDNA操作により「水から酸素を取り入れることの出来る身体」を作り出し、残った全てのバカダネが生き残る事に成功しました。 そう、バカダネは神の領域を侵害し、自ら進化したのです。 地球人類は数十億年前、バクテリア、植物、生物の誕生、そして人類の誕生と進化を辿ってここまできたと言われています。 「バクテリアが進化を辿り、ミジンコになり、その後、人類が誕生した」と。 そのミジンコが実はバカダネの進化の姿だったとしたら? 今地球に飛来するUFOがバカダネの生き残りで、アマシマック星の現在の状況を偵察しに来ているとしたら? その後、数億年かけて人類はバカダネと同じことを繰り返そうとしています。 植物の改良に始まり、現在は動物の改良・クローン人間の開発。 数億年前、神の使いは言いました。 「地球の人類を含む動物・植物などの全ての生命は、地球の持ち得ることの出来る生命の容量を超えることはない。人類が増えることにより、その他の生命が確実に減少し、地球の生態系が狂ってきている」 「人類が新しく作った生命は神の領域を侵害している。生命の改良を即刻止め、地球の持ち得ることの出来る生命の容量を超えない別のやり方を考えるべきだ」 と。 |
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ことわざ辞典 |
前車の轍を踏む「ぜんしゃのてつをふむ」 |
前の人と同じ方法を繰り返してまた失敗してしまうこと。 またいつか神は打開策を提案するでしょう。神の使いはすでにあなたの近くにいるかもしれない。 |