
これがイノシシのロース(背肉)を使ったスモークハムなんですが、この厳冬期になって、最近の背肉は脂がこの3倍くらいにのってきて、赤身がとても少なくなってきてしまった。そこで、赤身が多くて柔らかいうちももの肉でスモークハムを作ることにしました。

本来、ハムというのは豚の骨付きもも肉で作るものだから、ハムには最適の部位といえる。しかし、対馬のイノシシは、赤身が強くて牛肉かと思うほど、、、それに香りもワイルドで、まさにジビエ!という感じです。これを塩漬けにして、低温ローストでしっとりと火を通し、冷燻に8時間くらいかける。

仕上がったのが、このハムです。真赤ですが、これで火は通っています。もちろん発色剤などは使っていません。イノシシ肉とカマルグ産の海塩だけが材料です。食べてみると、これは実に美味いです。ほんのりと感じる血の気というか、鉄分の味わい。おそらくたっぷりと食べた森の木の実などから来るであろう独特の香り。これに高知産の香りのいい山椒を合わせると、アルザスのゲヴェルツトラミネールとよく合います。またはシェリーのアモンチリヤードなんかも良いかもしれません。ジビエ尽くしのコースの前菜もこのうちもものハムに変わる予定です。
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