
平目は、卸す時に細かいうろこを庖丁ですき落とす事が多いが、市場の人が金タワシで楽々とうろこ落としをするのを見て、私も真似てみたらこれが楽!(笑)以来、ヒラメやコチやホウボウや鱈などのうろこが細かくて普通のうろこ引きの道具では落とせない魚は金タワシを使う事にしています。
前のブログで見せた平目がこんな風に魚料理になりました。ソースは1/2に煮詰めたバルサミコに軽く塩をしたものと、サルディニア島産の極上オーガニックオリーヴオイル、それにカマルグ産のフルール・ド・セルをパラリと振ってある。
魚が良いので、焼き加減も皮はカリッと身はやっと火が通ったくらいに仕上げてある。
バルサミコは高級品ほど濃度がある。というのは、アチェタイヤという熟成室が必ず屋根裏部屋にあって、夏は暑く冬は寒いというワインセラーとは真逆の環境で熟成させるんですが、大きな樽から、少しずつ小さなサイズの樽に毎年移し替えてゆく。その樽の材料の木材が何種類か決まっていて、それぞれの木材から年ごとに違った木のフレーバーを吸収しながら熟成してゆきます。
まず、トッレビアーノという白ワイン用の品種のブドウの汁を煮詰めて、モストコットという液体にします。屋根裏に運び、一番大きな仕込み用の樽(去年の液も少し入っています)に入れます。樽には半分くらいまでしか入れません。そうして、液面が空気によく触れるようにします。(これもワインと逆ですね。ワインの場合は樽をほぼ満杯にします)樽付きの酵母と酢酸菌が働いて、モストコットはアルコール発酵と酢酸発酵が同時にあるいは交互に進んで甘酸っぱい酢になっていきます。
10年物のバルサミコなら10番目の樽から出荷します。全部は抜きません。半分くらいです。そして減った分は、9年樽から補填します。9年樽には8年樽から、、、と繰り返してゆくわけです。夏はかなり気温が上がり、バルサミコは蒸発して濃くなります。この補填も、となりの一つ若い樽から行われます。その樽が、違う材質の木で作られているので色々な木の風味がつくわけ。
そういう訳で、長期熟成の高級バルサミコほど濃度があって、甘みもあるんです。そんな高級バルサミコの雰囲気を出すために普通の安いバルサミコを2倍か3倍くらいに煮詰めると熱で酸味も柔らかくなるし、甘みも増して良い感じになるんです。
私の場合は、1/2に煮詰めたバルサミコを少量常備してあります。たまにお勧めで出している、牛ヒレ肉のタリアータ。牛ヒレのステーキになりにくい細い部分を有効利用するつもりでやるのだが、人気があるので結局太くて良い部分までつかってしまう事が多いのだが、、、。タリアータはイタリア語で切るという意味ですが、肉を焼きあげて薄く切って皿に並べます。カマルグの塩、黒胡椒を挽き、ガーリック風味のオリーヴオイルとサルディニア島産の極上オーガニックオリーヴオイルをかけ、煮詰めたバルサミコを垂らし、パルミジャーノチーズをピーラーで薄く削って散らします。イタリアンのクラシックな料理ですね。普通は牛もも肉でやるんですが、ヒレならなお柔らかいという訳です。鹿肉でやっても美味そうですね。
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