
今朝は、仕込みがたいしてなかったので、朝早めに店に来て、エアコンのスイッチだけ入れて、電車に乗ってさかもとこーひーへ行ってきました。もちろん新規導入のプロバット焙煎機が気になっていたから見に行ったというわけです。
まず大きいのに驚きました!私は身長168位、坂本さんは170以上あるでしょう。それでこの迫力。まるでミニSLみたいです。坂本さんに「かなり前に火を止めたけど、まだ熱いでしょ?」と言われて機械に触れてみるとなるほどすごい余熱でした。
本当はもっと早く見に来たかったんですが、新しい機械を使いこなすのは、いくらベテランの坂本さんでも、なかなか大変だろうし、しばらくはナーバスな状態になるかもしれないので、坂本さんのブログやツイッターをこまめにチェックしていたんです。やはり導入初日からしばらくは、書き込みも少なかったし、最初にちょっとトラブルもあったりで1週目はかなり大変だったみたいです。導入3週目の昨日のブログを見たら、2週間使ってほぼ焙煎機の使い勝手を手中に収めたという風に書いてあったので、そろそろお邪魔しに行こうと思ってたんです。
坂本さんも私もこーひーと料理と立場は違いますが、同じ火を使う職人同士なんで、この大きな焙煎機の蓄熱量や焼きの安定感の話など聞くと、実感としてよくわかります。今までの機械の倍以上の大きさですから、とくに細かい豆の焼きのむらの無さとかの精度が全然違うと言ってました。これでさらにさかもとこーひーのクオリティも上がっていくんだろうと思います。それに生産効率も、、、。
ただ、この焙煎機、これだけのパワーになると半端な力の職人じゃどうにも使いこなせなそうです。坂本さんのようなベテランでかつ論理派の職人じゃないとダメでしょうね!うちの店のガス台のプラックもそうですけど、本当のプロ向けの機材というのは、使いこなせる技量がないといくら良い機材をそろえてもよい仕事ができるわけじゃないです。
コンベクションオーブンというのがあって、マイコン付きで温度管理も1℃単位で正確にコントロールできて、40度くらいの超低温から300度くらいの高温まで自在にコントロールできるオーブンで、熱風を循環させて温めるので焼きのムラもないんです。フォアグラのテリーヌなんか、一度に10本くらい出来ちゃう。で、失敗はまずないわけです。と聞くといいことずくめなんですが、、、。私は、コンベクションオーブンは大嫌い!!まず、熱風を使うから食材の水分が飛ばされて乾くのが嫌です。では、スチームコンベクションといって、蒸気も併用するやつならいいだろうというと、それもだめ。タルトみたいな焼き菓子をやればすぐわかるんですが、普通のコンベクションじゃ乾きすぎるし、スチームコンベクションじゃ、本当の焼き菓子の香ばしさが出ないんですよ。だいたい、熱風を使うという発想が嫌です。あまりにデリカシーに欠ける!品がない!オーブンといのは、静かに温まっている空気の中に食材を置いて、庫内の鉄板から発する遠赤外線を静かに受けている状態が良いんです。熱いお風呂に入るでしょ?静かに入って、最初は熱いけど少しすると慣れてきますね。あれは、じっとしていれば、皮膚のすぐそばのお湯の温度が下がるからなんです。もちろん浸かっていればだんだん温度はど同化していきますけどね。そのお風呂のお湯がグルグルかき回されたらどうでしょう?熱くて入っていられませんよね!要するにコンベクションオーブンって、そういうことなんです。必要ないのに引っ掻きまわしてるだけなんですよ。だから嫌いです。下品な火づかいは下品な料理のもとです。
多分、コーヒー焙煎機でもそういうコンベクション的なプログラムつきみたいな機械もあるでしょう。もちろん、大手のコーヒー会社は、そういうそれこそ生産ラインで作っているんでしょうけどね、、、。
私も坂本さんもアナログの極みみたいな器具を使っているんです。頼りは自分の感性と経験というやつですね。五感のすべてを使ってする仕事です。もちろん温度計やタイマーなどを使いますが、最後の仕上げの微妙な判断は感覚です。それが職人仕事ってもんですよね!
ハートヴァレンタインカフェを買って、お土産にエルサルバドルをいただきました。エルサルバドルは好きな豆のひとつです。プロバット焙煎機に切り替えたさかもとこーひー、これからますます楽しみです。
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