幕張本郷の小さなフレンチレストラン   サンク・オ・ピエのオーナーシェフ、中村雅信の日記ページ

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Jul 8, 2013
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カテゴリ: シェフの雑記帳

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 水茄子とマンガリッツァ豚の自家製生ベーコンのサラダ仕立てです。

 水茄子は関東ではあまり出回っていないので知らない方も多いかもしれませんね。水茄子の本場は大阪の泉州地域で、他の土地ではあまり栽培されていません。というわけで、この水茄子はもちろん自家菜園のものです。普通の茄子はあくが強いので生食にはむかないのだが、水茄子はあくが少ないので生食にむいています。ほんのりとした甘味があり、フルーティーな香りで、ちょっとメロンのような、、葡萄のような、、、これが生ハムや生ベーコン(パンチェッタ)などととてもよく合います。

 自家製のマンガリッツァ豚の生ベーコンは、脂が綺麗で口解けが良く水茄子と一緒に食べると、茄子と生ベーコンがスーッと溶けます。生ハム&メロンのさらに理想形とでもいいましょうかとても美味いです。畑から水茄子が来た日にはメニューに乗ります。

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 これは千両茄子のソテータプナード風味。

 タプナードというのは、南仏風の調味料の一種で黒または緑のオリーヴの実とアンチョビとケッパーやニンニクそれにオリーヴオイルとハーブなどをペースト状にしたものです。フランスでは瓶詰めや缶詰で売っていますが、レストランでは自家製にするのが普通です。これは、黒オリーヴがベースのものです。こういう料理がフランスにあるかどうかは分かりませんが、これは田楽をイメージして作りました。タプナードは南仏人にとっての味噌のようなものですからね。煮込みやスープに溶いて味付けしたり、肉や魚のソースやパンに塗っておつまみにしたりもします。

 茄子をオリーヴオイルでソテーしてから、タプナードを塗ってオーブンで火を通します。緑色は万願寺唐辛子。京野菜ですがこれも自家菜園の物です。新鮮な茄子は火が通りやすく、柔らかに焼けます。黒オリーヴとアンチョビの旨味のケッパーの酸味やオリーヴオイルのコクなどがじつに美味いです。南仏風味噌田楽といった感じですね。コート・ド・プロヴァンスのロゼか白をよく冷やして合わせたいですね。たくさん食べれば野菜のメインディッシュにもなりますね。

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 手前はフォアグラ入りの鴨のテリーヌで、付け合わせはラタトゥイユと空豆のサラダと自家製ピクルス。ラタトゥイユは毎年夏になると作ります。自家菜園のズッキーニと茄子とピーマン、赤と黄色のパプリカは買ってきます。味の決め手は自家菜園の新玉ねぎと新ニンニクですね。

詳しいラタトゥイユの作り方はこちらをどうぞ。

 野菜だけの料理なので、水分をうまくコントロールして凝縮感を出さないと美味しくできません。ワインを入れたり、ひどい人はスープの素や旨味調味料を入れたりする人もいますが、せっかくの野菜の旨味が台無しになるので、余計なものは入れないほうがいいと思います。

 そろそろサラダ用の葉物野菜がなくなる時期です。畑では暑過ぎて葉物野菜が育ちませんし、市販のものも良いものが出回らなくなります。それで毎年夏の間はしばらくサラダが無くなります。そのかわりに前菜の付け合わせがラタトゥイユやピクルス、焼き茄子のマリネや自家製ドライトマトなどがサラダの代わりに活躍します。






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Last updated  Jul 8, 2013 06:18:54 PM


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madame-H@ キッシュに入れてます。 相かわらず、手間のかかるスープを楽しん…
ゆり777 @ こんにちは。 美味しそうですね~。 チキンがジュージ…
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