
メインの鴨は、フランスのロワールの河口あたりでシャラン産の窒息鴨と同じ地域で作られているバルバリー種のメスの若鴨です。鴨はcanardでこれは成鳥のオス、canetteがメスの若鴨ですから、Filet de canetteで若い雌鴨の胸肉という事になります。
ソースのタプナードは南仏風の調味料で黒オリーヴやアンチョビケッパーなどをペースト状にしたものです。タプナードはフランスなら瓶詰や缶詰で普通に売っているのですが、日本にはないので私が作ります。ソースは鶏ガラと牛スジでとった出汁にタプナードを加えてサルディニア島産のオリーヴオイルで味を調えます。アンチョビが入っているので発酵系の魚介の旨味が肉に重なってとても美味しい料理です。
鴨は焼きが肝心です。皮目はしっかりカリカリに焼きあげて、赤身はしっとりと柔らかくしかも生ぽっさは無いように余熱をうまく使った焼き方ですね。自分で言うのもなんですが、、鴨の焼きは私の名人芸ですからね!
サンク・オ・ピエの鴨を食べたことがない方は、鴨というと少し硬かったり癖があったり、あるいは生臭かったりというイメージがあるかもしれませんが、私の焼いた鴨は別物ですよ。ワインは、先日試飲会で美味しかったドメーヌ・ビアーのブルゴーニュ、オート・コート・ド・ボーヌです。軽くて綺麗な鴨の味わいと良くバランスがとれていると思います。
フランス料理では色々な鴨を使いますが、このバルバリー種がフランスでは一番多く飼育されています。その中でもメスの若いcanetteが一番好まれます。やはり柔らかいし、脂肪も鴨にしては少なめでさっぱりしていますからね。美味いですよ!
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