言語学を超えて(ソシュール記号学の新解釈)

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《自己紹介》
佐藤直幹(さとうなおみき)と申します。令和二六年で満58歳になります。丙午です。現在、フランスのパリ近郊在住で、翻訳を中心に仕事をしています。

メールアドレス:nsato75@yahoo.fr
X(旧Twitter)のアカウント:https://x.com/NaomikiSato
インスタグラム:
https://www.instagram.com/satonaomiki/profilecard/?igsh=MXRycTEzMmYzYTJieA==

進化する自己記憶の存在論という、テーマに取り組んでいます。言語の本質を追い求めているうちに、人間とは何か、認知とは何か、生命とは何か、太陽系とは何か、時空間とは何か、物質とは何かという問いが生まれ、これらの根底に流れているが「自己記憶」という概念だと気がつきました。

ただ。ここでいう「自己記憶」の概念は、端的に言うと私の造語で、我々の知っている「記憶」をカバーしてますが、全く新しい概念で「すべての存在を生み出し、支え、進化させる」ものです。

進化する自己記憶の存在論は、今の科学の枠組みとは全く違うものになりますが、今の人類の知識を、新しい枠組みで捉え直すというプロセスと考えれば、矛盾は無いと思います。一言で言うと「科学のパラダイムシフト」を起こしたい訳です。

今は、ソシュールの記号学を「進化する自己記憶の存在論」という枠の中で再構築することを課題としています。ソシュールの「一般言語学講義」を再読しながら、記号学を新たなレベルに引き上げることを目標としています。


日本の大学では経済学を専攻しました。卒業後、金属素材メーカーに就職しましたが4年後の1995年に退職、直後にフランスに渡航し、言語学の勉強を始め今に至ります。一応フランスで修士と同等の免状(DEA)を取得していますが、博士論文は途中で断念しました。

高校三年のときにアメリカのイリノイ州に1年間のホームステイ留学、大学3年に上がる前に、韓国に一年間、語学留学していました。最近は大分忘れましたが、フランス手話もフランスで勉強し、私の言語理論の重要な支えになっています。

始めはフランス語で発信しようと思いましたが、フランス語の語彙の概念を借用しながら、日本語で書く事にしました。あまりネガティブなコメントにはおつきあい出来ないと思いますが、興味があれば読者の方々と色々とディスカッション出来ればと思います。

「日本人の為のフランス語自習室」というブログもあります。最近は更新していませんが、フランス語に興味の有る方は是非どうぞ。
http://francais75.exblog.jp/

趣味は折紙ですが,最近は半分プロとしてやっています。
折紙のバラが専門です。ここに作品を発表しています。ミクシーでは、もっと多くの作品を公開しています。ハンドルネームは「Mikki」
http://pliagedepapier.com/gallery/index.php?cat=11645

最近はインスタグラムの方を主に使っています:
https://www.instagram.com/satonaomiki/profilecard/?igsh=MXRycTEzMmYzYTJieA==

2015年8月に、「バラの折り紙 ROSE」という本が出版されました。
http://www.amazon.co.jp/バラの折り紙-1枚の紙から作る-佐藤直幹/dp/452905466

2018年1月27日に「美しいバラの折り紙」という本が出版されます。
https://www.amazon.co.jp/%E7%BE%8E%E3%81%97%E3%81%84%E3%83%90%E3%83%A9%E3%81%AE%E6%8A%98%E3%82%8A%E7%B4%99-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9B%B4%E5%B9%B9/dp/4529057674/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1516427564&sr=1-1&keywords=%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9B%B4%E5%B9%B9

2019年9月24日にアメリカのTuttle社から「美しいバラの折り紙」の英語版「Naomiki Sato's Origami Roses, create lifelike roses and other blossoms」が出版されます。
https://www.tuttlepublishing.com/other/naomiki-satos-origami-roses


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佐藤直幹@ Re[1]:言語学のパラダイムシフトを起こそう。。。(04/14) ヒフミヨは冥途の土産勾股弦(自然数の量…
ヒフミヨは冥途の土産勾股弦(自然数の量化)@ Re:言語学のパラダイムシフトを起こそう。。。(04/14)  ≪…自然数「1」も人間の記号が姿を変え…
CLG2009 @ Re[1]:記憶と脳は関係ないのではという仮説。。。(11/28) ななみさんへ お久しぶりです。お元気で…
ななみ@ Re:記憶と脳は関係ないのではという仮説。。。(11/28) 御無沙汰してます。 Rakutenブログ…
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2025.11.23
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カテゴリ: 記憶言語学
今、私の関心は「言語とは何か」という問いから「言語学とは何か」という問いに移ってきている。

これは、ソシュールの一般言語学の記号の正しい理解が出来た事により、新しい段階として人間の知の再編成をする事になったと考えている。

こう考えるとソシュールの評価も大きく変わってくる事になる。

言語学者ソシュールの偉大な所は、意味という問題に真っ向から取り組んだ事だと私は考えている。

ソシュールの記号には、シニフィアン(signifiant)とシニフィエ(signifié)という二つの側面があるが、この二つの用語は、仏語の「signifier(意味する)」という動詞が、其々、現在分詞と過去分詞に活用したものである。

記号の意味の側面であるシニフィエというのは、一般的な概念に該当するのだが、これに対する個別の文脈に関しては、ソシュールは沈黙してしまった。

そこに目を付けたのが、文法学者チョムスキーである。

彼は、生成文法を掲げ、普遍文法の存在をちらつかせながら、言語学界に颯爽と登場した。

「ソシュールの一般言語学講義」という本は、本人が著したものではなく、講義を受講していない二人の弟子によって、師の没後、講義メモや講義ノートを基に編纂されたものである。



言語学者ソシュールが、西洋の思想界に大きな影響を与えたのは事実であるが、彼の評価は、彼の一般言語学理論の間違った解釈の上に成り立っていると私は考えている。

その誤解の最たる例が、記号の恣意性である。

これは、音声言語には概ね該当するのだが、視覚的な手話には全く当てはまらない。

現在の言語学の問題の一つは、音声言語と手話という二つの自然言語を全く平等に扱う事の出来る言語理論を構築する事なく、聴覚発声チャンネルに特化した音声言語の観察によって得られた特徴を、視覚身振りチャンネルの手話に強引に当てはめてしまっている事に、疑問を持つ人が非常に少ない事である。

「ソシュールの一般言語学講義」には、実は、もう一つの記号の恣意性がある。

それが「記号のラディカル(根本的)な恣意性」である。

これに最初に注目したのは、フランス手話言語学を牽引してきた Cuxac 先生である。

先生の授業でこれを知った時、本当にワクワクしたのを覚えている。

この「ソシュールの記号のラディカルな恣意性」というのは、二つのタイプの自然言語である音声言語と手話の両方に当てはまる概念であるが、この為には、先ず、記号の定義からやり直す必要がある。

私のソシュールの記号の定義:

記号の形の側面に対応するシニフィアンと記号の意味の側面に対応するシニフィエという其々独立した二層の価値体系であり、其々の価値体系の特定の座標同士が一致する所に特定の記号が成立する。



私の提唱する記号の新しい定義とソシュールの記号のラディカルな恣意性が、どのようにシンクロするかであるが、二層の其々の価値体系の特定の座標が一致する所に特定の記号が成立するのだが、この場合の、シニフィアンとシニフィエの間の関係がラディカルに恣意的であるという事になる。

記号のシニフィエが価値体系であると言うのは、割と理解が楽だと思う。

例えば、辞書で「左」と「右」の二つの概念を記述する為には、左は、右の反対、また、右は、左の反対という方法が取られるのだが、これこそ、二つの概念が、二つの相反する価値であるという事を示しているのである。

では、記号の形の側面であるシニフィアンに関しては、どうだろう。

この場合、記号がどの知覚運動チャンネルに特化したかで大きく変わってくる。



ソシュールの記号とは、其々独立した二層の価値体系あると既に述べたが、この記号が二つの異なる知覚運動チャンネルに特化する事で、視覚身振りチャンネルの場合は手話、聴覚発声チャンネルの場合は音声言語という、記号を共通要素とした二つのタイプの自然言語が確立する事になる。

まだ、完璧とは言えないが、今までずっと私が目的としてきた「手話と音声言語に共通する何か」を、ようやく解明する事が出来た。

結局の所、それは、ソシュールの記号であったのだが、一般的な解釈の記号ではなく、ソシュールの記号の再解釈を反映させた新しい定義の記号になった。

記号が特化する知覚運動チャンネルの特徴によって実現される記号の形の側面であるシニフィアンに関する考察に戻ろう。

先ずは、聴覚発声チャンネルに特化して誕生した音声言語のシニフィアンであるが、これには、所謂、音韻体系が該当するのだが、現行の音素の記述方法は、現実的に全く使えない。

現行の音韻体系では、音素の二大カテゴリーである子音と母音の存在がデフォルトであり、音韻体系における記述は子音と母音が全く別々の表という形で行われているのだが、ここに問題がある。

子音と母音が確立する為には、音声の連続的な塊である音節の時間軸上の前後への離散化が不可欠なのであり、この連続的な音節を構成する聴覚的な認知記憶が、どのようなメカニズムを通して、時間軸上で前後に離散的に分裂して、子音と母音という子音の二つのカテゴリーが構築されるのかを解明する必要がある。

音声を支える聴覚記憶というのは、認知システム上では、一次元である時間軸上に展開するのだが、まず、音節という形で連鎖的に分節されたものが、其々前後に離散的に分裂する事で、時間軸上の上に垂直に展開する一種の空間軸が生じる事になる結果、特定の音声言語の音韻体系が確立される事になる。

これに対して、記号が視覚身振りチャンネルに特化して確立される手話の場合、音節の離散化によって確立される空間軸が、最初から視界の中に存在するという利点がある。

後は、視覚的に連続的に流れるシーケンスが離散的に分裂される事で、離散的な時間軸が獲得されるようになるのである。


























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Last updated  2025.11.23 21:40:44
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