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いっせーのせっ
5 いっせーのせっ
ジョロウグモのお姉さんは、バルちゃんとガンちゃんの二人と、
バルちゃんのグライダーブロックとガンちゃんのグライダーブロックと
蜘蛛の巣から外しました。
こんなとき八本の脚は実に便利です。
小脇に抱えたまま「ありゃさ~」とひと声かけると
ひとっ飛びにあらちゃん森の一番高い木のてっぺんに立ちました。
そして「こりゃさ~」と一声かけるとたちまち、
そいちゃん森の一番高い木のてっぺんに立っていました。
バルちゃんとガンちゃんが後ろを振り向くとなんと見事な蜘蛛の糸の橋が一本ちゃ~んと掛かっていました。
『こちらパトロール隊のバルちゃんとガンちゃんです。
まいちゃんブロックとごうちゃんブロック聞こえますか? どうぞ』『こちらまいちゃんブロックとごうちゃんブロックです。
でんぱはたいへんよくきこえます。どうぞ』
『空を見上げてください。ジョロウグモのお姉さんが
いっぽん橋をかけてくれたのがそこから見えますか?プイプイ』
『よぉくみえます。きらきらひかってとってもきれいです。』
『今から大サーカスブランコをご覧にいれまぁーす。
それではみなさま 御紹介しまーす。
我らがジョロウグモのおねえさ~~~んです。
どうぞ大きな拍手でお迎えください』
パトロール隊員のバルちゃんとガンちゃんは鮮やかな
メタリックグリーンとメタリックオレンジの衣装に着替え
蜘蛛の糸のいっぽん橋の真ん中に立ちました。
ジョロウグモのお姉さんがいっぽん橋をゆっさゆっさと
揺らし始めました。
ゆっさゆっさ、わっさわっさといっぽん橋が揺れました。
バルちゃんとガンちゃんがとってもゆかいな声で笑いながら
いっぽん橋にゆられています。
見上げていたまいちゃんブロックもごうちゃんブロックも
つられて笑い出しました。
その声を聴いてあらちゃんとそいちゃんもつられて笑いました。
そしてさっきまでぎゅぅっと握っていた積み木の手を緩めるといいました。
「なかまにいーれーて」
「いーいーよ」と全員が答えました。
ゆっさゆっさ わっさわっさ といっぽん橋は揺れました。
みんなはもっと大声で笑いました。
さすがのジョロウグモのお姉さんも汗が目に入ったので汗をぬぐおうとしたその時です。いっぽん橋がプッツーンと切れました。
「いっせーのせっ」であらちゃんとそいちゃんは積み木を収納箱に入れました。積み木は収納箱の隙間にすっぽりと収まりました。
迷子になっていたまいちゃんブロックもごうちゃんブロックも、
探しに行ったパトロール隊のバルちゃんガンちゃんもみんなパコージャの町に『いっせーのせっ』で無事帰ってきました。
町中のブロックたちが盛大な拍手で出迎えみんなで喜びあいました。
「こんどからおかたづけは『いっせーのせっ』にしようか」
「うん、『いっせーのせっ』ておもしろかったね」
あらちゃんとそいちゃんはにっこりして仲直りしました。
~お・し・ま・い~
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