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『氷河ネズミの毛皮』そして『水仙月の四日』 その5
雪山で吹雪に巻き込まれて立ち往生し遭難しかかった子どもは、ゆきわらしの助力で命拾いします。
最後に死なずに生き延びてくれる登場人物の物語は賢治さんの作品では少ないです。
生き延びてくれるとホッとします。
大自然の脅威や猛威を扱ったお話を、賢治さんは「ユキバンゴ ( 雪婆んご ) 」や「ユキワラシ ( 雪童子 ) 」や「ユキオイノ ( 雪狼 ) 」という擬人化したキャラクターを駆使して存分に表現しています。
私は 5
年前にもこのお話しは朗読会で発表しましたがその当時は擬人化しているほうに傾斜して多少ヒステリックな風合いで感情を持った人間のように読みました。
けれどもユキバンゴにしてもユキオイノにしても大自然の中での猛吹雪という現象や摂理そのものなのですから今回はヒステリックな感情表現のようにならない読みをしてみたいと思っています。
但し主人公のユキワラシは思いっきり人間臭く「健気な少年の姿」として読み切りたいと思います。
その健気さこそが雪山で吹雪に巻き込まれた小さな子どもの命を救ったのですから。
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