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考・さるかに合戦…柿の実…そして干し柿
デイサービスセンターで週に一度、「朗読タイム」を担当しています。
お年寄り為の朗読ということで、最近は日本の昔話を
もっぱら選んで語っています。
『聴き手の側』にすると、あんまり長いお話よりも
短めで解り易いお話が好まれます。
そのためどうしてもかいつまんだあらすじのようなお話の朗読になります。
それでもある程度の満足にまでは達していただけるので
ひとまずは良しとしています。
一方、『読み手の側』には、どうしても物足りなさが残ります。
きっとこの辺に双方の欲求の境目の「閾値」があるのでしょうね。
無理矢理に帳尻合わせをして事を収めようとせず活動を輻輳させていこうと
思っています。
振れ幅が広いので両方のお話の発芽を
それぞれ大事に育てていこうと思います。
耳なじんできたであろう昔ばなしの中から「さるかに合戦」を読みました。
デイサービスでは「あらすじバージョン」でした。大変面白いお話です。
ですから「あらすじバージョン」から離れて「ばぶさん童話流さるかに合戦」を
創作中です。
カニが丹精して育てた柿の木にたわわに実った柿の実です。
採ろうと木登りを試みるカニです。うまく登れません。
木に登れず難儀しているところにサルがやってきます。
悪戦苦闘のカニを見て 「おいらが代わりにとってやるよ」
きっと最初は親切心で一肌脱ごうとしたのだろうと思い描きます。
けれどもサルは『柿の実の食通』だったのでしょうか。
それとも・・・実っていた柿がやたらと食べごろでサルを魅惑したのでしょうか。
柿の実はサルをいざないます。一口食べたらもう病みつきです。
「カニの為に柿の実を取ってやる」というそもそもの事の発端など
すっかり記憶の彼方です。忘れてしまいます。
サルは、実にうまそうに次から次から食べまくります。
どんな心持ちで柿の実を食べていたのでしょうか。
サルの心持を感じ取りたくて行きつけのスーパーで柿を買いました。
元来私は柿を積極的に買い求め食するような食習慣はありませんでした。
そこで1個売りのバラのケースから選び取ります。
そっと触って重さや熟し加減 ( ? ) を思い描きます。
何日か買い求めているうちに「種なし柿」「種有柿」とあることに気が付きました。
産地ごとの味の違いだとか堪能する前に今年の旬の時期を逸しました。
来年に向けての楽しみな宿題をゲットしました。
そして 3 週間ほどたったころ福島の友人から「干し柿は好き?」とメールです。
さらに 1 週間ほどたって届きました。「あんぽ柿」という品名でした。
干し柿なんて食べたのは何年ぶりのことでしょう。
ところがどっこい食べてみて驚きました。旨いです。美味です。
すっかり「あんぽ柿」のファンになりました。また楽しみが一つ増えました。
農家さんが一つ一つ包丁で皮をむき、天日で干して熟成した天然の恵みです。
かかった手間の全てがうまさに凝縮されているように思いました。
カニに分けてやらずに一人で食べまくったサルの気持ち…。
お話の後半で懲らしめられたサルですが私サルに半分同情します。
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