2005.01.21
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カテゴリ: 森羅万象
以前、 この日記
天文ファン、音楽ファンにお奨めの不思議な場所です。



その館の主、西岡さんから届くメールマガジンに
マックホルツ彗星についてのお話が紹介されていました。

マックホルツ彗星と昴

まだ来月半ばまで見えるそうですので、
月が満月に近づいて明るいのがやや難ですが、
この週末チャレンジしてみてくださいませ。

宮沢賢治の朗読会も楽しそうです。





                                 ☆  
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┌┐  
└■   P.モーツァルト便り    ━ 2004年 1月 15日━…‥‥・・





 ♪ こんにちわ! お元気ですか ♪


┏  “ 宇宙の使者 ” マックホルツ彗星 
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥‥・・


朝露の光る清々しい夏のある朝、毎日何年も、部屋をも埋め尽くす
星野写真を見続けてきたマックホルツさんが、コーヒーの香りの向こ
うにふと取り上げた1枚の写真の中を、突如!稲妻が走り、轟く雷鳴
に耳を塞ぎました。稲妻は彼の身体を引き裂き、カップが砕け、イス
ははじき飛びました。稲妻に焼かれた身体が、コヨーテより速く疾駆し
て、もう1枚の写真に飛びつきました。

ふるえるルーペの中で、一粒の光りの粒が生まれて、燃えていました。
写真も手もゆらゆら揺れて、幽霊のように次の瞬間消えてしまうかに
思えた彼は、思わずルーペを放り出し、両手で光りの粒をもつぶれる
ばかりに握りしめました。
手は粒の熱で燃え尽きてしまうかに思えましたが、彼は確かに握りし
めた手の中に光りの粒の生きてる脈動を感じたのです。

人の感じることは何かコインの裏表に似てますね。
その瞬間の驚きの大きさは、裏側の見続けた日々の堆積の重さに
裏付けされます。で、私達の想像を絶したものとなるでしょう。

マックホルツさんが感じたことは、たぶん月面着陸を果たしたアポロ
14号のエドガー・ミッチェル氏が月の地平線から上がってくる地球を
見た時に感じたことと似ているように思います。


『 いきなり、月の縁の背後からキラキラ輝く青と白の宝石が現れる。
  例えようもなく荘厳な瞬間が、スローモーションのように永く続く。
  ゆるやかに渦巻く白いベールをまとった、明るい微妙なスカイブ
  ルーの球が暗黒の神秘の深い海の中を、真珠の玉のように、し
  だいに昇っていく。

  これが地球……私達の住み処だとはっきり分るのはしばらくた
  ってからである。  』


月面には、空気がないので風もなく、地平線まで何一つ動くものもな
く、音もない。背後の広大な暗黒のなかにも、空気がないので星もま
たたかず、時が奪われてフリーズした、人の目には永遠の死を思わ
せる世界です。

眼前には、漆黒と銀砂の境を分けるたった一本の線だけというこんな
虚無の場に、果たして人は耐えられるのでしょうか。
しかもその漆黒は、空気がないので、地球の青空と違い、手を伸ば
せば何処までも飲み込まれそうな『暗黒の神秘の深い海』、無限の奈
落の深みを突きつけます。

               ーーーーーーーー

余談ですが、夜空の星、また月も、太陽もそうですが、私達の目には
まるでプラネタリウムの円天井に並んでいるように見えますね。
その天井もそんなに高くもなく、頑張れば手が届きそうな感じで、常識
の範囲に収まってくれて、人にはアットホームな距離です。
生まれた時からそうなので日頃特別変だと思いませんが、でもこれは
とても不思議なことです。

太陽までの距離一つ考えましても、この立ってるところから上に地球を
一列に並べて何個いるでしょうか?
11732個!、見ている限りとてもそんな奥行きを感じないですね。
東京から山中湖までより近いかも分りません。
このマジックは、地球の大気圏の不思議な四重構造と、人の進化に会
わせて出来た目と大脳の構造に因ります。

もしこれがはずれて、限りない奥行きが空に見えたら、果たして人は今
と同じ気持で日常生活を送れるでしょうか。
事実を丸裸で見せられたら、もう一歩あるくのにも、神様と一緒でなけ
りゃ歩けないかも分らないですね。

先程、佐治先生から、お電話でマウナロア山頂の星の話しや、NASAで
体験された無重力のお話、初めて皆既日食をご覧になった時のこと、ス
ペースシャトル打ち上げ時、機体からこぼれ落ちる無数の氷の美しさを
お聞きして、こんな事を思いました。           

             ーーーーーーーーーーー


海も、海底が見えてるうちは、「 海 」と云える人の手の内の海ですが,
いったん海底が見えなくなると、無限の深さを孕んだ青の世界に、た
だ一人孤独に残され、人は立つ瀬を失い、ものすごい恐怖に襲われ
ます。

「無限」や「永遠」という言葉も頭の中の砂場の山のうちはまだなんと
でもなりますが、生身でその中に放り込まれますと、人のキャパシテ
ィを越え、人の頭は悲しくも割れてしまいます。

人がそんな恐怖にかられて、一本のやせた杭のように見知らぬ地に
打ち込まれている時、地平線の一点がほの明るくなり、やがて暗黒の
深い海の中から、たった一つ動くものとして『キラキラ輝く青と白の宝
石が現れる。』

もし、その宇宙服の中に私達がいたら、その時なにを感じるでのしょ
う。
今、眼前には『例えようもなく荘厳な瞬間が、スローモーションのように
永く続』いています。
トランペットのファンファーレさえ聞こえるような、まるで天の降臨といっ
ても過言ではないですね。
なにがなんだか分らなくても、もうなにがなんでも、どうしても、生死を
超えた『救済』が、その場で爆発しそうです。
丸ごと救われた!という涙しかあとには残らないのではないでしょうか。
私達の生に相応しい、このような『 荘 厳 』と思える体験を、人生の中
で人は何度経験できるのでしょうか。

今、永遠の死の世界の中で、ただ動くものはこの『キラキラ輝く青と白
の宝石』と人の心臓のたった2つ!
もう、不二(二つにあらず)の関係と思わずに、なにを思えることでしょ
う。
それはうごめく事を本性とする生命の強烈な象徴、いやそれ以上に
守り手、荘厳、厳粛なるものの顕現と思わずに、なにを思えたことで
しょう。

そしてまた、人の目には何一つ動かなくとも、人は宇宙の全存在の
生々流転を知っています。E・ミッチェル氏にはもはや地球は、そのう
ごめくもの全てのシンボルとも思えたことでしょう、そして翻れば人の
この脈動する小さな心臓をも。
彼は地球の背後に、それに連なる全宇宙にうごめく全てのものの歌
声や雄叫び、嘆きや祈りさえ聞いたやもしれません。


マックホルツ彗星はまだ来月半ばまで、ご覧になっていただけます。



                  次号に続く


┏ Marginalia Concert 
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥‥・・

1月22日(土)

               宮沢 賢治 の 世界
              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

朗読  オツキ ユキエ

     冬の夜には、暖炉に火を入れます。
     林の枯れ木を拾ってきて燃やすと、野生の火という感じで
     暖炉の周りには、毎日と違った時間が流れるような気がし
     ます。燃やす木によって、炎にも青や緑や紫といった色の
     火があるのをご存じでしたか。
     雪のある夜はことさらに静けさが深く、時までその柔らかさ
     の中に消えていくようです。
     オツキさんが雪の物語を読むと、私達はもう暖炉の周りに
     いるのではなく、寒く澄み切った星空のもと、ほの青く光る
     雪原のただ中で裸火を炊いているのです。
     周り一面雪の薫りに包まれて、その薫りはいつしか愛して
     やまない賢治の心となります。

              会費 1泊2日(朝夕食付き) ¥13000





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Last updated  2005.01.21 17:21:39


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なおき@ ケロロ ケロロぐんそうかっこいいです
峰松大介 @ 久米様、ブログへのコメント本当にありがとうございました! わざわざ心のこもったコメントくださいま…
明大商学部遠藤正人@ ご返事ありがとうございます  私の質問に答えていただいてありがとう…

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