つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2006年09月15日
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カテゴリ: アート
街道浮世絵は当時の人にとっては、今のテレビの旅行番組を見
るようなものであったらしい。安価で手に入る絵を眺めて、旅
への思いを募らせていたのでしょう。

この展覧会の「東海道五拾三次」と「木曾街道六十九次」。ずっ
と眺めていると、現代の自分たちも江戸時代の人々と同じく、
旅愁が募ってくるのが不思議でした。

風光明媚な風景。旅する人々。大名行列。旅籠。峠の茶店。地
元の人々。土地の名物。厳しい自然環境。・・・そんな光景が版
画として描かれています。

伊奈川橋遠景.jpg


構成されている。そんな中で、気に入ったのは英泉の「野尻 伊
奈川橋遠景」。滝のような川に奇妙にねじれた橋が架かっている。
その向こうに夕焼けと鳥の群れ。奇妙にデフォルメされた風景
画は、例えば北斎のあの神奈川沖の大波のように見るものに迫
ってきます。

中津川.jpg

広重の「雨の中津川」は、世界で数点しか確認されていない幻
の作品だそうです。雨合羽をはおった旅人の角々とした姿がユ
ニークです。

蒲原.jpg
東海道53次。「蒲原 夜之雪」。初摺と後摺の二点並列展示さ
れています。初摺と後摺では、背景の闇夜の現し方が異なりま
す。雪明りに光る家々と対照的に夜の闇に沈む家々。どちらも



箱根.jpg
何度も見たことのある「箱根 湖水図」。今まで、ただ箱根の山々
を描いただけだと思っていたのですが、今日初めて、大名行列
が細い街道を下っていることに気づきました。


御油.jpg
「御油 旅人留女」。これは、53次の中でも最高に楽しい絵。
まるで追いはぎのような客引き女に困っている旅人の声が聞こ


その他、およそ110年ぶりに日本に里帰りを果たした「甲州日
記写生帳」など、見所満点の展覧会でした。





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最終更新日  2006年09月16日 01時00分02秒
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