つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2008年09月06日
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カテゴリ: アート
金曜日の夕刊の半面を使って、上村松園の絵がメインと
なって大きく宣伝されていたので、近代画家の展覧会
だとばかり思って出かけた。

ところが、絵の数も思ったほど多くなく、板谷波山や
富本憲吉らの陶芸や、そのほかの作家による工芸作品、
茶道具、それに以前ここで開かれた仙がいのミニ展覧会
と盛りだくさんであった。

灯 上村松園.jpg

まずはやはり上村松園の絵に目を奪われる。チラシにも
なっている「灯」。これは初公開の作品らしい。私は、

顔は良い。眉毛や睫毛の柔らかさがなんとも優しい
雰囲気である。

「春夏秋冬」の四幅対。松園の描く浮世絵肉筆画である。
艶やかというより上品な浮世絵に仕上がっている。
特に「夏」の小船に肘掛て、透明な団扇を持つ女性の
姿にうっとりと見入った。

平櫛田中の彫刻「張果像」。これはスゴイ。赤い紋様の
着物など、リアルに着彩してあり見とれてしまうのだが、
よく見ると顔の凹凸が凄まじい。顔の表情にぐいぐいと
引き込まれる。手に持つ瓢箪からロバが顔をのぞかせ
ているのがとってもユーモラス。


良かった。竹林ととんでもない形をした岩の下で煎茶を
楽しむ人物。お茶は、超俗の精神世界を楽しむもの
というテーマの絵である。超俗の背景なのだろう。

芳年の風俗三十二相にも再び出会う。「すずしそう」の
逆手にあごを乗せる女性。不自然なポーズというか、


冨岡鉄斎や小杉放庵の作品が多数、出展されていたのが
印象に残る。

さて、陶芸のコーナー。富本憲吉vs板谷波山と
銘打ってあったが、私は何と言っても板谷波山の花瓶の
それぞれに魅せられてしまった。

私は波山の作品では、葆光彩磁のものがいちばん好き
なのだが、今回はこれが多数出品されていて、嬉しく
てたまらなかった。

葆光彩磁花卉文花瓶.jpg

葆光彩磁のあのもわもわっとした白い輝きにほんわかと
むらさき色の花々が浮き立つ。
今回は、「葆光彩磁花卉文花瓶」がピカイチ。次に
チューリップの花瓶だろう。アマリリスは他の作品に
比べると少々大仰な感じがして今ひとつの感。

最後に仙がいの詩で自らに戒め。
「そしるなよ庭のあたりに菊の花」





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最終更新日  2008年09月21日 08時00分26秒
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