つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2009年01月22日
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カテゴリ: アート
オープン2日目。平日の午後なのにかなりの入り。

ところが、前半の大部分を占める第1章から
第3章は、ほとんど、古文書、消息、お坊さんの
絵(頂相)、墨蹟などで、さっぱり面白くない。
皆さんは、最初からご丁寧に解説を読んでいるが、
ここは横目で眺めながら先へと進む。

面白くなってくるのは、第1会場の最後、第4章
「禅の空間1―唐絵と中世水墨画―」あたりから。

伝狩野正信の「鍾呂伝道図」。呂洞賓に仙人の術を

現われて一安心。ちょっと不気味な十六羅漢図も
面白い

狩野元信と伝相阿弥の瀟湘(しょう しょう)
八景図をじっくりと眺め、第2会場へ。

入り口に、秀吉と淀姫の息子豊臣棄丸(鶴丸)が
乗って遊んだ船「玩具船」がある。そして、
本当にかわいい美しい鎧がある。わずか3つで
亡くなってしまったのかと思うといっそう哀しい。

武人像の中に、蕭白の描いた福島正則像がある。
これはもう人というより、「トラ」の顔のようだ。

次は、白隠和尚の特集。このあたりはもう見慣れて


そして圧巻は、最後の第8章禅の空間2―近世
障屏画の輝き―のコーナー。

長谷川等伯の「枯木猿猴図」。あの国宝松林図屏風も
連想する粗く大胆なタッチ。猿の毛並みも硬い
細い線を重ねているのだが、これが上手い。


さて、ラストは目にも鮮やかな屏風の数々。
特にメトロポリタン美術館からやってきた、
狩野山雪の「老梅図襖」には、釘付けになって
しまう。先日、夢の美術館「江戸の名画100選」
でも放映されたばかり。

狩野山雪「老梅図襖」.jpg

梅の老木は、もはや樹木ではなく、のたうち
まわる龍のようである。石も同様。どこまでも
増殖していくようだ。紅白のツツジを眺めて、
どうにか冷静さが戻ってくる。この一枚を
見るため、東博に通っても惜しくはない。

もう一度、第1会場を廻ったが、やはり前半は
「・・・」という感じであった。





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最終更新日  2009年01月22日 05時34分31秒
コメント(18) | コメントを書く


■コメント

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早速いらしたんですね。  
きらきら星 さん
ご無沙汰しています。私も関西に行くついでに立ち寄るつもりですが、後期になる予定。山雪はメットの日本館の書院襖として展示してありましたが、里帰りしたんですね。メットでは奥まって見にくく、惜しいと思ってたので楽しみです。古刹もこぞって美術展をやるようになりましたね。「日通」の運搬技術も貢献してるかな(笑)さて、24日から笠間陶芸美術館で田中丸コレクション「九州古陶磁」をやります。陶芸館のカフェランチもお勧めですのでお時間があればどうかお出かけください。 (2009年01月22日 11時00分39秒)

おお、もう行かれたんですか  
わん太夫 さん
今回は意外と会期が短いような気がするので、早めに行こうとは思っているのですが・・・

たしかに、文字ばかりだと、どんなにありがたい内容でもさっぱり分からないので、

面白くないですよね (^u^) (2009年01月22日 13時59分13秒)

御用のある方は  
とら さん
出口から逆に回るのが正解かもしれませんね。
山雪の部屋は最高でした。

(2009年01月22日 22時22分41秒)

屏風  
はろるど さん
こんばんは。TBをありがとうございました。
後半は圧巻でしたね。また後期になると今出ている屏風の大半が入れ替わるのも凄いなと思います。もう一度行きたいです。 (2009年01月22日 22時26分15秒)

順序  
Tak さん
こんばんは。

展示順序
もし逆だったら…
印象悪いでしょうね~ (2009年01月22日 23時22分46秒)

きらきら星さん  
一村雨  さん
山雪、メトロポリタンでは、そんな見にくいところに
展示してあったのですか。
間近で見ることができてよかったです。 (2009年01月23日 05時21分55秒)

わん太夫さん  
一村雨  さん
本当はお茶をやる人間は、墨蹟とか消息とか
書にも堪能でなければいけないのですが・・・
いかんせん、教養がないもので・・・ (2009年01月23日 05時23分12秒)

とらさん  
一村雨  さん
最後の展示は、何ともいえないすばらしさだったですね。
前半は、2度目に回った時、解説とか読んだのですが、
あまりよく分かりませんでした。
(2009年01月23日 05時25分30秒)

はろるどさん  
一村雨  さん
本当に後期も必見ですね。
見たい屏風が目白押しですね。 (2009年01月23日 05時26分23秒)

Takさん  
一村雨  さん
そうそう、この展覧会、最後に欲求不満が解消されるので正解です。ほんとに逆だったら・・・・
(2009年01月23日 05時27分40秒)

おお、白隠和尚の絵があるんですか!  
RICARDO  さん
見る予定はありませんでしたが、行ってみたいと思います!情報有難う御座いました。
(2009年01月23日 10時42分08秒)

RICARDOさん  
一村雨  さん
ぜひお出かけを。
前半は飛ばしてかまわないと思いますが・・・ (2009年01月24日 06時03分42秒)

京狩野!  
あべまつ さん
こんばんは。
一村雨さんも早速のお出かけだったのですね。
本当に最終章は圧巻でした。
後期の展示も楽しみです。
よくメトロポリタンからやってきてくれました。
(2009年01月25日 21時14分12秒)

あべまつさん  
一村雨  さん
本当にメトロポリタンさまさまです。
(2009年01月26日 04時56分33秒)

Re:妙心寺  東京国立博物館(01/22)  
ruru さん
進んで行くにつれ興味深いものが出てくる。
最後には大興奮の展示でした。
京狩野がこんなにカッコイイとは~~
狩野永徳見に行かなかった事を今更ながら反省。
(2009年02月03日 00時19分35秒)

ruruさん  
一村雨  さん
私も永徳展に行けませんでした。
山楽・山雪の作品も出ていたのでしょうか? (2009年02月03日 04時37分15秒)

やっと足を運びました  
もか さん
こんにちは。私も後半メインで楽しみました。
「老梅図」、まさに龍のようでしたね! (2009年02月04日 18時25分35秒)

もかさん  
一村雨  さん
老梅図、もう一度見に行く予定です。 (2009年02月05日 05時13分07秒)

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