つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2009年09月26日
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カテゴリ: アート
展示内容にまとまりがあって、非常に見やすい構成だっ
た。国ごとに、絵の特徴が異なり、お国柄の違いを楽し
めた。大らかなイタリアに対して、厳格なドイツといっ
た様子が、はっきりと分かった。

展示内容は次の通り。
・ハプスブルク家の肖像画
・イタリア絵画
・ドイツ絵画
・特別出品

・スペイン絵画
・フランドル・オランダ絵画

ハプルブルグ家の肖像画。
「11歳のマリー・テレジア」
11歳という子どもではあるが、その細いウェストに驚愕。
花々が静物画のような緻密さで、美しい。

マリア・テレジア.jpg

イタリア絵画。
さすがイタリア、情熱の国。それでもこの時代にこんな
絵を描いていいのかという疑問。
「黄金時代の愛」パオロ・フィアミンゴ。1585年。

黄金時代の愛.jpg

ドイツ絵画。

ナッハの独特の人物表現。特にこのサロメは怪しい魅力
を醸し出す。細密に描かれた衣装。ヨハネの首の断面の
生々しさ。窓の向こうの美しい風景。空の青さの清々し
さと題材の禍々しさが奇妙なバランスを保っている。

サロメ.jpg

スペイン絵画。

どこかで見たことがあると思ったら、大原美術館のもの
とまったく同じ構図。ハトの下の稲光の大きさが異なる
くらいだ。調べると、サンパウロ美術館など、世界に数
点あるようだ。

ブタペスト蔵↓
受胎告知ハプスブルグ.jpg

大原美術館蔵↓
受胎告知大原.jpg

ムリーリョの「悪魔を奈落に突き落とす大天使ミカエル」。
少年のような大天使ミカエルがカッコよい。

大天使ミカエル.jpg

フランドル・オランダ絵画
静物画好きの私としては、やはりこの作品。
「ハム・オウムガイのカップ、シャンパングラス、銀の
デカンタのある静物」
暗闇に光る白いテーブルクロス。オウムガイのカップは、
現物を工芸品のコーナーで見たばかり。透明なガラス
や生々しいレモン。食べ終わった後の貝殻まで、銀色に
輝く。

ハム・オウムガイ.jpg

西洋美術史の教科書を眺めているような内容の濃い展覧会。
三代広重や豊原国周の豪華絢爛な肉筆浮世絵まで見ることが
できて大満足であった。








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最終更新日  2009年09月27日 17時58分35秒
コメント(10) | コメントを書く


■コメント

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大満足!  
Tak さん
こんにちは。

先日はどうもありがとうございました。
大満足の展覧会でしたね。

クラナッハのサロメを何度でも
観たいです。蠱惑的とはあの絵のこと。 (2009年09月29日 07時46分21秒)

早く行きたいです!!  
響の言葉 さん
充実した内容みたいですね。
前売りチケットは買ってあるのですが、
行くのは少し後になりそうです。
楽しみです!!
(2009年09月29日 21時58分50秒)

Takさん  
一村雨  さん
こちらこそありがとうございました。
あのウィーン美術史美術館の絵画館長さん
美の巨人たちに出演していましたね。 (2009年09月30日 04時48分43秒)

響の言葉さん  
一村雨  さん
楽しみにしてください。
興奮すること、間違いないです。 (2009年09月30日 04時49分36秒)

泰西名画  
とら さん
古い言葉ですが、「泰西名画展」という言葉がぴったりの良い展覧会でした。もっとも当然フランス絵画は欠けてましたが。 (2009年10月02日 09時36分59秒)

とらさん  
一村雨  さん
西洋絵画の幅広いジャンルを
概観できました。
あまりにも著名な画家が多すぎて
もったいなかったくらいです。 (2009年10月02日 22時54分14秒)

はじめまして。  
なつ さん
はじめまして。とらさんのHPからこちらに辿り着きました、なつと申します。
大御所の名作が国ごとに見やすくまとめられていて、私のような初心者が見に行っても、とても見やすく充実の企画展でした。
ブログを読ませて頂いて、東京の美術展をガンガン見ておられるのにとても触発されました。
TBさせて頂きました。お許し頂ければとても嬉しいです。
どうぞ宜しくお願いします。
(2009年10月17日 22時34分54秒)

なつさん  
一村雨  さん
トラックバックありがとうございます。
こちらこそよろしくお願いいたします。
この展覧会、分かりやすい構成で楽しかったです。
今後ともよろしくお願いいたします。
(2009年10月18日 00時15分59秒)

「黄金時代の愛」  
YC* さん
私もこの絵にはビックリしました。当初カーテンの奥に隠されて展示されていたとありますが、そりゃそうでしょう、と思いました。ただ、これは4点の連作のうちの一つだそうなので、他の3点も観てみたい気はしますが。 (2009年12月13日 12時22分32秒)

YC*さん  
一村雨  さん
言うなれば、西洋の春画なんでしょうね。
やはり、どこでも、人が考えたり行ったりすることは
同じなんですね。 (2009年12月14日 05時32分43秒)

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