つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2009年12月07日
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カテゴリ: アート
土曜日、夕方6時過ぎ。奈良県立美術館は貸切状態。
監視員とガードマンしかいない。
おまけにこの美術館は、各部屋とも片側だけの展示
なので空間が異様に広く感じる。

さらにテーマは神話ときたから、なにか異世界に
迷い込んだ感覚。わくわくどきどきの展覧会体験
だった。

明治から大正にかけて描かれた洋画・日本画による
神話画を一挙に展示。


「浦島図」を同時に見ることができる幸せ。私は、
これに原田直次郎の「騎龍観音」(東京国立近代
美術館蔵=護国寺寄託)を併せて、日本近代絵画の
三大傑作(奇作?)だと思い、偏愛している。
デロリの系譜の作品である。

羽衣天女.jpg

羽衣天女は、天使と天女が合体したような異様な
姿。羽衣があるのに、なぜ羽根が生えている必要が
あるのか?などとは考えない。楽しければよい。

浦島図

浦島図は、延々と続く美女のご一行にかしづかれ
ながら、恍惚とした表情で玉手箱を抱える浦島
太郎がいい。解説にラファエロの「ガラティアの

なるほどと感心する。

素戔嗚尊八岐大蛇退治画稿.jpg

原田直次郎の「素戔嗚尊八岐大蛇退治画稿」は、
なぜかヤマタノオロチ退治の絵から犬の頭が飛び
出している。

乙女散華の図.jpg

もう一枚、素晴らしい絵を見た。寺松国太郎という

題材であるが、やはり天女が、空に舞い、花々を
散らしている。山本芳翠の裸婦もいいが、こちらの
天女の豊満な胸に立ちくらみしてしまった。

鈴木松年のスサノオノミコトのヤマタノオロチ退治
の日本画などは、カッコいいのひとこと。

松岡映丘の「佐保姫」なぞもゾクッとする美人画で
あった。

その他、暁斎、芳年、鉄斎、黒田清輝、青木繁、
小林古径・・・・の素敵な絵がたくさんあり、
見応え十分。はるばる奈良までやってきた甲斐が
あったと大満足。

これが、奈良ではなくて、六本木のサントリー
あたりでやったら大ヒット間違いなしの展覧会で
あったことと思う。





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最終更新日  2009年12月07日 23時03分07秒
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