つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2010年02月12日
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カテゴリ: アート
江戸の彩.jpg


後期の見どころも前期同様、肉筆画の数々であると思う。
特に鈴木春信の肉筆画「二代目瀬川菊之丞図」は、
一見の価値あり。滅多に春信の肉筆画は見ることが
できないのだ。昔、江戸の誘惑展でお目にかかったきり。

この細長さは柱絵だろうか。着物の柄のきめ細やかさを
描くテクニックは、他の浮世絵師に負けているが、
やはり、肉筆画ならではの絵の具の美しさ。何といっても、
春信の作品というだけで、もう幸せな気持ちになる。

そして、お気に入りの一枚。北斎の娘応為の描いた「吉原

いつ見ても素晴らしい。

この絵の中では、格子の外の客たちは、実体のない「虚」の
世界、つまり闇である。それに対して格子の内側、居並ぶ
遊女たちの世界だけが光り輝く「実」の世界だ。

しかし、現実には、客は「実」の世界から、一時の夢を
買う吉原という「虚」の世界へやってくるのである。
この虚実の反転が一枚の絵に封じ込められているのだ。

水野蘆朝の「向島桜下二美人の図」もよい。ちょっと
素人っぽい顔の描き方。この絵師が実は旗本であったと
はじめて知った。

勝川春章の「子猫に美人図」は、さすがに肉筆画の大家


版画では、歌麿の「五人美人愛敬鏡」のシリーズが
5枚揃って展示されていた。定信の統制を免れるために
遊女の名前を絵の組み合わせで示したもの。もう少し
色味が残っていてくれれば素晴らしかったろう。

ともかく、後期も十分に満足できる展覧会だった。











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最終更新日  2010年02月12日 22時43分11秒
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