PR
サイド自由欄
カテゴリ
カレンダー
ガザでの地上戦で、ますます被害が拡大している様子が報道されています。ヨルダンの人口の大部分はパレスチナ人で構成されていますから、他人事ではありません。胸中複雑なヨルダン人も多いと思います。
ヨルダン人の友達が言っていました。イスラエル軍の攻撃には同意しかねる人も多いけれど、ハマスがテロリストであることは明白な事実。声に出してハマスを非難するアラブ人は少ないけれど、実は誰もが知っていること。
私のフランス人の友達は、ヨルダン大学で英語の先生をしています。大学でも、「ガザ侵攻反対!」と鼻息荒く語る学生が多いのだとか。でもこの友達は、生徒たちにこんな風に状況を説明します。
ある日、マシンガンを持った大きな男が家にやってきます。家を今すぐ出て行け、抵抗すると家族を殺すと脅します。あなたならどうしますか? あなたには守るべき妻、子供たちがいます。もちろん家を守りたいと思いますが、戦うことができるものを何も持っていません。持っているものといえば、片手にオレンジジュースのコップ。
オレンジジュースを相手の顔に浴びせかけることもできます。でも相手は妻と子供たちをマシンガンで撃って殺すでしょう。そして結局家も取られることになります。オレンジジュースを浴びせて抵抗したために、妻や子供たちが殺されたなら、あなたは後からどう感じるでしょうか? 少なくとも抵抗した、と幸せな気持ちになるでしょうか? それともオレンジジュースのために妻子を失ったことを後悔するでしょうか?
ガザで起きているのはまさにこういった状況です。どちらが正しい、悪いということではなく、現実として、イスラエル軍と対等に戦うことはできないのです。マシンガンを持った相手にオレンジジュースを浴びせかけて挑発するようなものです。
「これ以上話すと宗教の話になるので、自分はここまでしか話さない」と友達は言いました。でも生徒たちは要点を理解したようで、教室は静まり返っていたそうです。
歴史や宗教が複雑に絡み合ったパレスチナ問題。でも、子供でも理解できる単純明快な真理があります。それは報復に報復を重ねても、問題の解決にはならないということです。
ちょっとクスッと笑える(?)アラブのお話 (… 2025.10.14
寄稿です:「トレッキング大国としてのヨル… 2025.05.01
シリアの歴史の大転換点 ‐ アサド政権倒れ… 2024.12.09