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於:シアタークリエ
SHOW-ism 7
「ピトレスク」
Cast:
マルゴー・アインシュタイン クミコ
ジャン・ルイ 中川晃教
ピョートル 岡本知高
カミーユ 彩輝なお
マヌエラ Jkim
リュシエンヌ 風花舞
フリードリヒ・アイヒマン 舘形比呂一
タマラ・フォン・ミュンヒハウゼン 保坂知寿
イヴェット 美鳳あや
トマ 三井聡
キャスト、いつもは書かないんだけど、今回は書く必要があるかな、と思って書きました。
これだけキャストが多方面から集まってきたら、とっても面白いか、おいおいか、どちらかだな、と思っていましたが、結果、すごいものに仕上がってました。
すごい・・・って、どうすごいんだよ、っていう話ですが(^_^;)。
開いた口、閉じた口・・・・・
口を開けるも閉じるも、あなたの自由。
でも、口を開かなければ、自分が望む明日にならないかも知れない。
明日?明日があると思ってる?明日なんて来ないかも知れないんだよ。
それに、誰だって、いきなり弱者になる可能性を持っているんだよ。
さあ、どうする?
今、口を開いて、心から消えない絵、燃えない絵、ピトレスクを買いませんか?
テーマは重い。が、深い深い台詞の間に挟み込まれるショーシーンが救い。テディベアのようにかわいいぴょ~とるが救い。
人の声って、こんなにも人を感動させられるのだと、初めて気づいた。
力強くキビキビしたマヌエラの声、優しく包み込んでくれるマルゴーの癒しの声、柔らかいカミーユの声、低く説得力のあるタマラの信頼できる声、優しい王子様のようなフリードリヒの声、明るいリュシエンヌの声、かわいくて抱きしめたくなるピョ~トルの声、そして天才アッキーの声(だって、アッキーは何しててもアッキーなんだもん、それでいいんだもん)。
彼らの声の重なりが感動を生み、大きなうねりになって劇場を包み込んでいく、そんな体験ができた舞台だった。
キャスト別に感想を少々・・・
クミコ・・・やっぱり歌うまさんなんだな、と改めて確認(笑)。ハミングから、歌い上げるところまで、この人が口を開くとその先に風景が見える。コツコツコツと言葉を置いていくように歌う、その言葉たちがほわ~~っと広がっていくように見える。この人は言葉を置きながら、その言葉たちと対話してるんじゃないかな、って、ふと思った。いとおしいと思って置かれた言葉たちは、私たちにとってもとてもいとおしい。
ドイツ兵によって切り裂かれた絵を診察して、「ああ、大丈夫だ。」って言うところ、良いシーンだったなぁ。
今は演歌歌手としても活躍しているけど、シャンソンも忘れないで。あなたのシャンソンに魅せられた人もたくさんいることを忘れないで。
Jkim・・・いや、すごい、ホントにすごい。最初、やたら動きも声もキビッキビしてる人がいるなぁと思っていたのですが、歌い始めてやっと気づいた。かつてグリザベラで私を泣かせてくれた金志賢さんじゃあ~りませんか。その節は素晴らしい「メモリー」をありがとう。ザラザラの手袋をした手で握手してくれてありがとう(笑)。この人の歌声は、ほぼホーミーですな。ビヨンビヨン響いてきます。いや素晴らしい。アッキーとのデュエット、歌声が素晴らしすぎて、歌詞を全然覚えていないんですけど、っていうか聴いている最中も歌詞はまるで入ってきてなかったと思うんだけど、感動で泣いたね。体内から体に良い成分が分泌されたのを感じたね。
岡本知高・・・こんなにかわいい人だったんだ(笑)。ぬいぐるみみたいな体に高くてまっすぐな声。女性のソプラノでは出せない、なんていうんだろう、太くて高いまっすぐな声。かつてカストラートが出していた声を、この人は天性で出せるんですね、素晴らしい。それにかわいい。台詞回しもかわいくて、めんどくさいヤツだけどかわいくて、かわいくてかわいくて震える♪
舘形比呂一・・・This is コンボイだった舘形様がこんなに柔らかい王子様に(*・・*)。ダンスのイメージが強いからか、このような声を出すんだ、っていう印象が全くなかったのでびっくり。優しい声。みかけはデカいけど優しい、ぴったりの役だった。上半身を思う存分見せてくれたのはうれしいんだけど(笑)、もっと踊ってほしかったなぁ。
彩輝なお・・・穏やかな綺麗なおねえさん。そんな中にも、元男役だからか立ち方歩き方にスッとしたところがあって、それが役の上でプラスになってるな、って思った。ちょっとハスキーな声も魅力的だった。セリフ、よく噛んでたけど大丈夫(笑)?
風花舞・・・かわいい、そしてダンスがキレッキレ。立ち姿も美しい。彼女の明るい役柄が、舞台が単調になるのを防いでくれてる。小さな風を起こしてくれてる。
保坂知寿・・・前に観た海賊の女王より今回の海賊の方が100倍良い(笑)。クルトワイルのシーンを引っ張ってましたね、いや素敵だ。名前もミュンヒハウゼン、なんちゅ~意味深長な。全体的にかっこいい。センターにバーンって立った時、こんなにも映えるのは舞台の立ち方を知っているからなんだろうな。スター主義じゃない四季の大スターでありながらおよそ四季らしくない台詞まわしが大好き。自然に早口でさささっとしゃべるんだけど、きちんと聞き取れる。歌も演技も存在感も、さすがと言うよりほかはないわ。
中川晃教・・・うん、アッキー(笑)。いつどこで何の役をしていても、アッキーはアッキー。それでいい!
額縁の中に、シルエットで映る皆さんの姿が、まさにピトレスク!
お願いします、DVDでもCDでもいいですから、出してください。じゃなかったら再演してください、千歩譲って、せめてパンフに使われた曲名書いてください。
ズン~~ズン~~ズン~~♪