時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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March 9, 2008
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 ちょっと前に、北森鴻による、 「蓮丈那智フィールドファイル」 「凶笑面」 を紹介したが、この作品、だいぶ前にテレビドラマ化されていたようだ。ネットで調べてみると、フジテレビ系列の金曜エンタテイメントで、2005年9月に、木村多江主演で放映されていた。この頃は、まだこの作品のことを知らなかったので、見逃してしまったのが残念である。番組の公式サイトには、「新シリーズ」と書かれていたので、ドラマでもシリーズ化するつもりだったのだろうか。でも、2年以上も経つのに、次の作品は放映されていないようだ。

 ところで、このシリーズの主人公である蓮丈那智は、原作では、短髪で年齢不詳、モンゴロイド離れしたした中性的な容貌の彫刻を思わせるような美女というなかなか難しい設定になっている。ドラマの方で那智を演じる木村多江については、あまり知らないが、画像を見る限り、ちょっとイメージが違うかな。なかなか難しい設定だが、私なら、秋本奈緒美あたりに那智を演じさせたい。中性的なの条件には当てはまらないが、年齢不詳の美女で、ショートの髪が似合う女優が他に思いつかなかったからだ。

 話がだいぶ脱線したが、本日は、その 「蓮丈那智フィールドファイル」 の第2作にあたる 「触身仏」 (北森鴻:新潮社)の紹介をしよう。やはり、東敬大助教授の蓮丈那智とその下僕いや助手の内藤三國が活躍する、民俗学を織り込んだ短編ミステリー集である。収録されているのは、次の5編。

「秘供養」 :那智と三國は、東北の山中に線刻された五百羅漢の謎を調べる。
「大黒闇」 :三國がサークルの顧問を依頼されるが、実はそのサークルはカルト教団であった。
「死満瓊」
「蝕身仏」 :那智と三國は、奥羽山脈の麓の小さな村に伝わる「即身仏」の調査に出かける。
「御蔭講」 :三國は、講師への昇進をかけて、御蔭講に関する論文の執筆を目指す。一方蓮丈研究室には、新しい助手が入ってくる。

 もちろんいずれも、民族学上のモチーフを現実世界で起こる殺人事件がうまく組み合わされた面白い作品ばかりである。今回は、鉄の女・那智も、雪山で転落して足の骨を折って入院したり、薬で眠らされて、死体といっしょに車の中に置かれていたり、何者かに襲撃されたりと散々である。

 一方三國の方も、カルト集団の顧問にさせられそうになったり、論文のことで那智に怒られたり散々な目にあっている。しかし、那智にディープなキスをされて(実は、ある実験のためだったのだが)、ちょっと幸せ気分になり、頭の中で、 「僕は一生先生について行くことを心に決めました」 とか 「那智、お前の一生は俺が面倒見てやる。黙ってついてこんかい。」 と色々な言葉をめぐらしたが、結局何も言えないのがなんとも三國らしくて面白い。

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○「凶笑面」の記事は こちら

「蝕身仏」(北森鴻:新潮社)




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Last updated  December 15, 2008 10:03:46 PM
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