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2017.03.19
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カテゴリ: 今日の買い物
さて、前回に続いて銀座春の祭典での釣果報告、第二回にして最終回である(こんなのが何回も続いたら破産じゃ)。



今回の漁場も俗に言うところの「バミューダトライアングル」というか「船の墓場」海域である。そりゃー朽ちかけの難破船がプカプカしているが、海の男はその中から「これ!」というのをサルベージするのだ。これぞ漁師の本懐(な訳ねーだろ)。

んでサルベージしたのがビテッサ500AEである。ビテッサといえばフォクトレンダーファンならあの煙突と観音様を思い出すだろう。そうあの長い煙突を押し込むと観音扉が開きウルトロン菩薩などが厳かに現れるのだ。しかし、やがて観音扉が中途半端に開いたようなとんでもないスタイルになり、謎のレンズ交換式レンジファインダーカメラへと変節していった伝説のカメラなのだ。

んで、ここに登場するのはそんな過去の因果を完全に断ち切り全く新しい衣を身にまとった新生ビテッサである。何だかんだ言いながらも今までのビテッサはフォクトレンダーらしさが垣間見えたが、500AEにはフォクトの影は全く見られない。そして代わりに垣間見えるのがツァイスデザインなのだ。

そう、このカメラは経営が傾いたフォクトレンダーがツァイスと合併して誕生した新会社ツァイスイコンフォクトレンダー製なのだ。ツァイスイコンフォクトレンダー、何だか東京三菱UFJというか三井住友というか、旧社名を単純に並べただけというのが実にストレートだ。


名前が長すぎると言われそうだが、何しろ両方とも歴史と由緒ある名前なのだ。日本でいうならニコンとキャノンが合併するようなものだ。新社名するものどちらかの名前を消すのもままならない。

なのでこのカメラの価値は一にも二にも正面にあるZEISSIKON VOIGTLANDERというロゴにある。しかしそれだけ重要なアイコンはプラスチックカバーの一部なのだ、新会社のロゴすら間に合わなかったのか。時間がなかったのとコスト削減のためとはいえなんとも勿体ない。

同じく経営危機に陥ったライカ社はオールドファンの批判を無視して通称「赤バッチ」なるロゴを前面に押し立て性能よりもブランドを売る戦略を取り、結果的にブランドを守り通したのとは対照的だ(会社の規模が違うから一律に評価はできないけどさ)。

ではカメラを見てみよう。丸みを帯びたフォクトレンダーの優美なスタイルと異なる四角四面のスタイルはまさにツァイスだ。そしてモールがキラキラしているのが、アメリカを意識している気がする。なんでもこのカメラには木目調のパネルを貼られたモデルもあるがそれなどまさしくカントリーを愛するアメリカ人好みのデザインだ。

そして実は私、このデザインは好きなのだ。調べると製造期間は1968-70らしい。当時の国内コンパクトはキャノネットQL、コニカC35、ミノルタハイマチック等々があるが、どれもパっと見兄弟モデルのように似ていて個性が全く感じられない(それが日本らしさかもしれないけどね)。しかし500AEは一目でわかる。良くも悪くも「他人と同じにはしたくない」というドイツカメラらしさが生きている。そしてシンメトリックなんだよね、対称なデザインは好きなんだわ。


上部パネルに目をやると、VITESSA 500AEの下にはERECTRONICの文字がある。モデルネームと同じくらい「電子」という言葉が優遇されてるね。確か日本でも電子マークのロゴを付けたカメラがあったよなぁ。

端にあるシャッターボタンも本機のデザイン上の特徴であるが、実用上も大きくて実に使いやすい。単なるデザイン倒れではないのだ。シャッターボタン前には感度切り替え用レバーがある。そう、ボディ側の操作は基本ダイヤルではなくレバーなんだよね、これも特徴的。



正面にあるレバーは露出補正用。マックス2段までプラス補正できる、マイナスはできない。


電子シャッターを駆動するバッテリーはカメラ正面に格納する。この収納スタイルも非常に珍しい。使用電池はPX850‥知らん。何でも代替にBR2330に下駄をはかせるというのが一般的だったが、このBR2330はポケベル用の電池で、現在ではディスコンなのだ。

PX850は1.5Vなので、RR41などのボタン電池に下駄を履かせるか、電池が直列式(つまり使用電圧が3V)ならCR2330を片方に入れて、もう片方はコインなどを入れるなどする方法も考えられるが、いかんせん駆動電圧が分からないからCR2330使用は危険だ。


搭載しているレンズは戦後に登場したカラーランター。新種ガラスを採用したフォクトレンダーの3枚玉だ。そしてこのカメラがツァイスとフォクトレンダーの合併カメラに他ならない最大の特徴はこのレンズにある。普及カメラは多くの場合1モデルしか存在しないが、このカメラは全く同じ名前で上位モデルが存在する。そして両者の違いはレンズだ。そう、上位モデルにはツァイスのテッサーが採用されているのだ。


コニカミノルタが誕生した時でも、コンパクトカメラの同じモデルにヘキサノンとロッコールが採用されたモデルは現れなかった(と思った)。ビテッサにテッサー、さしずめパワーショットにニッコール搭載である。さすがレンズに誇りを持つ両雄のカメラ、実に興味深い。

さて、ここまで読まれた方ならもうお気づきであろう。そう、当日私は二つのビテッサ500AEを買い求めたのだ。これぞ大人買いなのだ。わっはっは恐れ入ったか。


大人買い、うーん何てお大尽な響きだ。しかし、大人買いという行為は同時に「散財」という行為なのだ。では、今回の決算報告です。ビテッサ500AE、二台で締めて1080円也。つまり1台540円でした。これなら大人買いもありでしょ。見てわかるようにテッサー搭載の方はロゴの入ったプラスチック板がないのだ(そんなの全然気にしないのだ)

ドイツカメラの繁栄と栄光を担った両雄が並び立つロゴは光り輝くとともに非常な現実に涙を誘わずにいられない。ちなみにこの会社はその後、ローライに吸収され消滅するのだ。





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最終更新日  2017.03.19 01:08:49
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Re:VITESSA500AE(両雄並び立つ)(03/19)  
Rikkie さん
どもども、大佐殿。

ビテッサ500AEですか。あっしも知りませんでした。
この頃のツアイス/フォクトレンダーの連合軍が我が国に語られることは極めて稀ですからねえ。コンテッサLKEだって、知らん顔同然ですし。これのテッサーは良く写りますよ。

しかし、電池室を露出するのにボディシェルをスライド両開きとは、フォクトレンダーというのは最後までへそを曲げたままですね。あっぱれな散りザマとしか言いようがありません。ランサーとテッサーの両方買いというのは豪儀。と、思ったら2台で1080円ですか。いいなあ、東京は。名古屋の中古カメラ市なんてツマラナいチノンのコンパクトカメラだって3000円くらいのプライスタグをつけるのに。

ビテッサはその後、韓国人にブランドを買われて極めてツマラナいコンパクトカメラにつけられていましたね。

ローライも「プレーゴ」を出していたのも今は昔。
今でもルミックスの「バリオエルマーにはドイツ人の血筋を継承している」と信じている「芸術家さん」というのもいらっしゃるので、ドイツは戦争にも多くの分野の工業危機でも敗北したけど、その威光は後世に伝わっていますね。
(2017.03.23 12:36:23)

Re:VITESSA500AE(両雄並び立つ)(03/19)  
グラット さん
どもども

電池室カバーの両開きが何となく観音開きの名残みたいで好きなんですよ。
韓流ビテッサですか、可哀そうすぎます。 (2017.03.25 19:48:26)

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