松下一郎のグリーンブレーカーズ

松下一郎のグリーンブレーカーズ

2023.08.08
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
食料自給率にも多様性があっていい。

過去分ですが、ご参考までによろしかったら。


農作物には、土地利用型作物と労働集約型作物があり、その作物を
使った土地利用型作物農業と労働集約型農業があることを、 前回
説明しました。

そこで最近なにかと話題となることが多い 日本の食料自給率 です。


率もありますが・・・結論から言えば、いろいろな自給率があって
もいいと私は思います。

その理由は以下のようになります。

たとえば労働集約型作物をつかった労働集約型農業を奨励するとし
たら少ない面積でも生産額はあがるわけですから、当然生産額で計
算する食料自給率は跳ね上がります。平成21年は70パーセント
ということですので、今後の奨励政策いかんによっては、8割近く
になることもあっていいことになります。 

 国内で労働集約型農業を奨励+土地利用型作物は輸入増やむなし

という農業のやり方になりますね 〔反対に土地利用型作物を使っ
た土地利用型作物を奨励していったとすれば、土地利用型作物作物

生産額で計算する食料自給率は減少していくことになります〕。

さて、そこでです。

ここで 人の食べるものの種類の問題というものが、でてきます。
労働集約型作物の代表とされることの多いネギやイチゴなどを食べ
ることだけで、土地利用型作物の代表であるコメやムギ、大豆をた

る問題です。

世界的に食料が潤沢であった時代がこれからもつづいていくのであ
れば、労働集約型作物をつかった労働集約型農業を奨励することで、
生産額で計算する食料自給率を上げていくのも良いでしょう。

しかし考えておかねばならないのは、とくにコメやムギそして大豆
の供給不安が おこったときにどうなるのかという問題なのです。
実際のところ、身近なパンや豆腐の値段がじわじわと値上がりして
いることからもわかるように、数年前よりも格段にコメやムギ、そ
して大豆の価格は上昇しているという現実があります。
そのような可能性が高い時代に〔一般の方には目新しいために注目
されがちな〕生産額でみた自給率ばかりを最重要視するというのも
いかがなものかと思うのです。

そして、ここまで説明し終えたところで、最初にお伝えした

いろいろな面から算出したものがあっても良い

とした食料自給率の表し方についてです。

話題になっている生産額で表すという自給率もあるべきだし、従来
からのカロリーベースの自給率も大事なものだと思うのです。さら
にいえば重量で表した自給率なども、けして不必要なものではない。
大事な 国民の食料に関する安全保障の基になる数字 なのですから、
どれが正しくてどれがまちがっている・・・などという議論に終始
せず、いろいろな角度から慎重に検討するという意味で、いろいろ
な自給率を検討する道具としてつかっていけばよいのです。『食料
自給率の表し方には多様性があってしかるべき』だと考えていきた
い。それは日本の農業の方向性を見定める指針になり得ますから。

ちなみに農水省の食料自給率に関するページですが・・・カロリー
ベースの自給率の話しばかりではなく、生産額でみた自給率に関し
てももちろんきちんと明示してあることをお知せして、今回の話し
はおしまいです。  今回の話に興味を持たれた方、そのページは 
こちら となりますよ 。


 むしろ問題は・・・〔自給率の表し方よりも〕農業には
土地利用型作物型農業と労働集約型農業がある という現実を
  理解していないフリをして話をしている論者や政府のお偉い
  さんがいることなのだと思うのですよね。はい。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 夢で終らせない農業起業 」「  本当は危ない有機野菜 


のの





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2023.08.08 15:07:42


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: