2011.12.24
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映画監督の森田芳光さんが亡くなりました。

享年61歳、あまりの若さに愕然としてしまいます。



一般的には、松田優作が主演した「家族ゲーム」が代表作でしょうが、

ワタシのような落研出身者にとっては、処女作「の・ようなもの」が忘れられません。


以前に書いた 日記 には、「ワタシの好きな映画」の第6位にあげて、

こんなコメントを書きました。


6位の「の・ようなもの」(1981) は、森田芳光監督のメジャー第1作目、二つ目の落語家"志ん魚"(しんとと)を主人公にしてます。この志ん魚を演ずるのが、あの伊藤克信で、栃木弁丸出しの朴訥ぶりが、妙にハマっていて可笑しい。周囲の師匠(入船亭扇橋)とか、先輩(尾藤イサオやでんでん)との間で交わされる会話が、のほほんとしていて、また可笑しい。
ラストにある、「下手くそ」と言われた志ん魚が、電車のなくなった深夜の向島や浅草を、目に映った風景を描写しながら、延々と歩くシーンが泣けます。


ラストの延々と歩くシーンは、落語「黄金餅」等の"道行き"が元ネタだろうと思います。

突然二人の彼女ができてしまうとゆー"モテ期"に有頂天になっていた志ん魚は、

彼女のオヤジから、「半人前の落語家なぞに娘はやれない!」とこっぴどく叱られ、

一晩中歩いて、落語(仕事)と向かい合う決意をします。

(半人前と言われて比較されるのが志ん朝、談志で・・・叱責自体も理不尽なのが可笑しい)


この映画の公開当時、28歳だったワタシは、好きだった女性に振られたり、

勤め先も変えて、地方でひとり暮らしていた時期で、このシーンに泣けたのでした(笑)。


もちろん、喜劇映画としても一級品で、

特にシロウト(主役に抜擢された伊藤は大学生だった)を使って、

これだけ笑える喜劇を作ってしまった監督としての手腕は、特筆されるべきと思います。



ところで、同じく落語を題材とした川島雄三監督の喜劇映画「幕末太陽傳」( 公式HP )が、

「日活創立100周年記念」でデジタル・リマスターされ、昨日から封切りされています。

(こっちは「ワタシの好きな映画」の第2位)


この二人の日本の喜劇映画界の巨匠は、今頃、空の上のどこかで話をしてるんでしょうか?

一見するとまったくタイプの違う二人、一つだけ共通点を見つけました。

わがままそうな、だだっ子みたいな唇・・・。




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川島雄三監督        










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Last updated  2011.12.24 07:39:07
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