2006年10月05日
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はい 今日は朝から京都行き
はい 再放送 1月30日の文

      ↓

1293

芸事:げいごと の道は 
枯れかじけて寒い たった一人でゆく道

けれど なにごとにも 
よき先達は あらまほしきことなり  by兼好法師

==========

陶器はモロイか?


モロクない陶器もある

あるお家に良く遊びに行ってたんですね 
やきもの屋ではたらいて5年たったころ 25年ほど前

そこの奥さんは 手作りの陶器が好き 
ほんで京都の訓練校で同期だったM先輩の湯のみや器なんかを
たくさん買ってた 先輩は15キロの電気窯で焼いたはった

 奥さんいわく Mさんのはイイんだけどモロイのよねー

いい先輩 いい友人の品が そう言われるとカナシかったです
その奥さんは もと東大教授のH先生の夫人で 
エエシのご出身のはず なんですけどガラッパチでね 
そこがおもしろくって みんな集まってたんやけど

ガチャガチャ洗うんで M先輩の品 ほんとにカケがすごく起こる

ぼくの勤めてた京焼の窯元の品もモロかった
京焼らしい花の絵に金彩の縁取りで¥8000もする湯のみとか
貫入が入ってて汚れやすいしモロくてカケが多かった
45キロの電気窯 1260度で焼いた品


土が細かくなってて改善されてました

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うちの窯最下段 東京ぜーゲル10番オルトン10番11番完倒
4枚棚板組の中央 もっともバーナーから遠い位置に立てた
東京ぜーゲル10番は1300 オルトン10番は1305
東京ぜーゲル11番は1320 オルトン11番は1325
ま 誤差がねぇ・・・ 

ぼくが買った品の中にも
伊豆に旅行に行って あ コレいいなと買った15センチの小皿
そのあたりの個人の作り手の刷毛目の皿 ¥2500
買って1週間ほど使ったら縁の白化粧がポロポロとカケてしもた

自作でも
穴窯に凝って年に10回ほども焚いてたころ
奥のほうで焼いた信楽土にいい緋色がでたビアマグ
焼きが甘くって でも 風合いがいいんで使ってみたけど
カケも起こるし 匂いがこもって カビがはえてしもた
市場に出さんで良かった


焼きの甘い=焼成温度の低い 陶器にはモロイものがある
実用の食器として使うには  特別の心使いしなきゃいけない

 釉薬かかっていても 無釉の焼き〆でも 
 その器だけは洗い桶にひたしてガチャガチャやらず
 1点1点 大切にとりあつかって 別に洗う
 くわえて 浸み込み防止のためには 使う前30分ほどは
 水や湯にひたしておき 器を使い終わったら すぐに洗う
 完全に乾かしてから収納する

この注意点 ムカシは 富裕な階層の主婦のたしなみとしては
当たり前のことやったんかもしれないし
そーいった心づかいすることが 
共有する文化として 
あったのかもしれない・・・富裕層では

甘く焼かないと得られない風合いもある
茶陶ならこれでイイ 高い料理屋の懐石の器ならこれでイイ

でも 今とこれから ふだん使いの日常食器として作り売る場合
これらの「手作りの陶器をあつかう時の心づかい」
これをやってくれと 使い手にもとめるのは 
もう無理やないやろか? そーゆー共有文化 たしなみは
もう滅んでしまったんやないやろか?

あえて風合いを重んじて 焼きの甘い器を焼くならば 
個々の使い手に そのことを確実に伝えなきゃ 
生産者の説明責任を 十全に 果たさなきゃならない 
と思うねんけどなぁ

 自分の作った品は モロイです でもイイです 
 共感できるなら買ってくださいと 言うべきやろー

韓国に修行 なんどか行ってる女の子のやきもの屋で
甘く焼いた 黄色い粉引をやってる子は 売る時に

 この風合いは温度低く焼かないと出ないんで
 ほかの物といっしょにガチャガチャ洗ってもらうと
 カケるんで別にあらってくださいね 

と断ってる エライ!

しかし この子の品を売ってる お店の人はちゃんと
そのことをお客さまに伝え切れるやろうか?
アルバイト店員ふくめて?

きっと 無理
そやから ぼくが伊豆で買った皿と同じことが 
いろんなトコで 起こる ちょっと無理して買った
いい風合いの 手作りの陶器 使ってみたらすぐカケて
ザンネンな気持ちになる 失望する

こんなことを続けてたら 
これからも「手作りのやきものを愛し使う文化」が
続いていくやろか・・・

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うちの窯上部のぜーゲル ほぼ下と同じ 
うちは1315~1330度くらいで焼いてる と言っていいかな
時間はかけない8時間 1000度まで3時間 1300まで3時間
そのあと1300をキープして2時間維持する 夕方4時に点火して
12時には終了 翌朝7じ600度台前半なら口を切り始める
昼12じには窯は入れ替えられる

 陶器祭なんかで売ってて お客さんに
 はっきり言われたことがある

 いいカンジだけど 陶器はモロいからなあ・・・

これからは こーいわれたら こー返そう

 いえいえ モロイ陶器もありますし 
      モロクない陶器もありますよ

 うちの品は 磁器よりも丈夫です 
 無貫入なんでしみ込みも心配ないですし
 電子レンジ・食器洗い機・オーブン加熱OKです

 吟味した土を 灯油窯で 
 1300~1320度で焼いてますから

 この土の場合ここまで上げて焼くのがもっとも焼け締まるんです
 この温度はよそさんよりかなり高いです 
 ひょっとすると100度ほども高いです

 機械ロクロや鋳込みの大量生産のの品と違って 
 手で作るロクロですから 持ったときのカンジがイイでしょ
 手へのおさまり 持ち重り 口作り 抹茶のお茶碗とおんなし
 心づかいで作ってますから お使いになる方の手がヨロコブ品です

 ゆったりした指筋が器に吹いてる風 うち屋号が 八風窯ですから
 ぼくが1個1個 描いてる絵付けは 機械物の転写シールとちがって
 イキオイがあるでしょ なごめますよ♪

 それに サランラップが 良くつく♪ 

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 一方では・・・

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高い温度で焼けば
高ければ高いほど 丈夫なもんが焼ける とゆー迷信が
美濃の磁器屋さんたちの間に流布してたそーです!

有田の磁器に比べると 美濃の磁器はモロイとゆー風評が
昭和60年ころにはあったそうで それに対抗してゆくために
温度を上げていった・・・

   なんと 1400度で焼いていた!

そんなことしたら かえってモロクなる シバリングが起こる
それぞれの作り手が使う土が もっとも焼けしまる温度は
体積比もっとも焼き上げた品が重くなるとき みんなちがう
それより低くすぎると弱くなる 
それより高すぎても弱くなる

四日市・常滑なんかの朱泥の土なら1200度前後
うちの土は耐火度高いんでまだ上げられけど このへんで妥当
そーすると釉薬とかいろいろ大きく変える必要が出てくる
そこまではせんでもエエと思う 

磁器より丈夫 0.19Jって数字が出てるし 磁器0.13
飲食のお店にモニター依頼して 何年も業務用食器洗い機で
磁器と一緒に 洗いまくってもろても割れへんしカケへん 
摩滅はするけどね その部分も汚くならないし白い土の色

電子レンジもオーブン加熱でグラタン調理もいっつもやってるコト

 さあ これで 

 手作りの陶器ならではのカンジで機械生産の磁器に対抗する

 やきもの屋のモー娘たちの弱点は死活問題として
 やきもんに取り組んでないんで 押さえが甘い 
 こーやるのがフツーをなぞってる手作りのやきもん 
 まだまだ改善できる余地多々あるんやけど 
 そのことにまだ気づいてない
 シメシメ・・・

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なにがしか 
みなさまのお心に
とどきましたでしょうか?
もし そー思てくれはったら・・・ 

すんませんけど今日もまた
クリック↓してもらえませんやろか お願いします   

bana-
1位かな? 





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最終更新日  2006年10月05日 21時14分19秒
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