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強い・・・強すぎるのじゃ大川橋蔵さんの颯爽とした美剣士ぶりで熱狂的人気を博した「新吾十番勝負」四部作に続いて、新たな川口松太郎の書下ろしで製作された新シリーズになります。将軍・吉宗を父にもちながら地位も栄誉も捨て、厳しい剣の道を進む葵新吾の前に立ちはだかる敵を倒すことは、幕府の政策に背くことになり、父吉宗と対決することになるのです...。◆第70作品目 1961年1月3日封切 「新吾二十番勝負」 葵新吾 大川橋蔵甲賀新八郎 沢村訥升由紀姫 丘さとみお縫 桜町弘子お鯉 長谷川裕見子納富一無斎 大河内傅次郎太田備中守 小沢栄太郎酒井讃岐守 三島雅夫六尺六平太 千秋実白根弥次郎 平幹二朗夏目外記 沢村宗之助井伊直惟 小柴幹治山村与八郎 徳大寺伸中院通朝 原健策牧野河内守 北竜二大久保弥太夫 上代悠司大賀陣蔵 楠本健二徳川吉宗 大友柳太朗葵新吾は宿敵武田一真を倒して天下第一の称を得ます。そのため、新吾の行方には険しい剣の道が続いていくのです。刺客の大賀陣蔵、新たな敵・白根弥次郎が新吾に挑んできます。一真を倒し日本一になった新吾は、こんどは野望にとりつかれた剣客達から追われる立場へとなったのです。新吾は山中で襲われる公卿を助けたことから・・・ものがたりは展開していきます。 ナレーションで始まります。仏説に曰く、人の生まるるは、宿業を因とし、父は母を縁とする、と。だが、如何なる輪廻のめぐり合わせか、その母が仇と狙う相手を父として生まれた子は・・・葵新吾がそれである。とはいえ、今やその父は当代将軍吉宗として崇められ、母もまたお鯉の方と敬われている。もし、彼が望むなら、地位も栄誉も決して難しいことではない。だが、彼は剣の道を選ぶ。苦しい救いのない方の道を。たとえ、天下第一のを得ようとも、一瞬の安らぎもない険しい道、それが剣の道だ。 画面は変わって、富士の山の麓に変り、草むらに身を横たえている新吾がいます。彼は自分自身の行くべき道を軽い眠りの中にみていました、「一瞬の安らぎもない険しい道・・・それが剣の道だ」。 新吾がハッと眠りから覚め、刀を取り体を起こし、身に迫って来る剣気に身構えます。近づいて来る足音に耳をすまします。すると、足音が止まりした。 しばらく、お互い身動きをしない時間が流れると、老人の方が歩き出しました。それを感じとった新吾は、急いで歩いて来る老人の前に出て行き、 新吾は、道に座り手を仕え、新吾 「私は葵新吾です」一無斎「葵新吾」新吾 「はい、・・・何卒一手ご指南のほどを」一無斎「何をおっしゃる、日本一の称ある新吾様に、この老いぼれが何の役にたち ましょう」 新吾 「いや、眠りを覚まされたただいまの凄まじい剣気」と新吾が言うと、老人は「それは違う」と静かに笑って言い、続けます。一無斎「世を捨てた老いぼれに、どうしてそんな力がありましょう。あなたの驚か れたのは、あなた自身の剣気」そう言われ新吾は「え?」と驚きの表情を見せます。 一無斎「あなたは自分の影に驚かれた」新吾 「自分の影」 一無斎「隙の無いのも結構じゃが、それでは昼寝もできまい。弓の弦も始終張りつ めていてはのう。・・・強い・・・強すぎるのじゃ」そう言って新吾の前を歩き去って行く老人を呆然と見つめている新吾でした。 その新吾に、一人の男が声をかけてきます。続きます。
2025年03月30日
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