若さまの鋭い視線が唐金屋と鈴木采女に注がれる
若さまがおいとを連れて出掛けたところは琉球踊りの舞台でした。舞台を見つめている 若さまにおいとが話かけます
。
おいと「 若さま
、・・・ 初めて
」
若さま「あっ、 ああ
、 初めてだ
。ああ、これから、 ちょいちょい来るかな
」
若さまのその言葉に、「まあうれしい」おいとはうれしくなりました。そして、
おいと「こうしていれば、若さまを知っている人なんか、一人もいないしね」
若さま「うーん、そうだな」







後の席にやって来た頓平と平吉の声かけでせっかくの若さまとの二人っきりの時間もだいなしです。若さまは「風呂屋の職人か」といい、「 まあこっちへ来ねい
」と気安くいったのです。
「あれ、きれいな姉ちゃん連れて、 旦那もすみにおけませんな
、へへへ」と平吉がいうと、「ほんと」と頓平が気安く若さまの肩をたたいたのを見て、おいとは 言いかけて・・・黙ります
。

その様子から何を思ったか、平吉が「大丈夫、 大丈夫
、わいら二人は 口が堅い
」、頓平は「若さまがお忍びで遊べるのも松の内、松があければ、裃付けて、姉ちゃんも腰元に戻って、 何でもなかったような顔をして
三つ指ついて、いってらっしゃいませ、とかなんとか、 ちゃんと分かってんだから
」と、若さまは 聞いていて笑い
、おいとは「 何もわかってないわ
」と呟き、「 ああよかった
」と安心します。








舞台を見ていた若さまは 頓平が喋ってきたことに興味を持ったよう
です。「何しろ、琉球から初めてて来た芸人なんでっせ」そして、平吉が二階を指さし「あれが、この一座を琉球から呼んだ胴元でっせ、唐金屋とかいう商人で」と、若さまは「 唐金屋
?
」といい 見つめ目を一瞬外します
が、そこに入って来た 鈴木采女に目がいきます
。 若さまの鋭い視線が二階の二人に注がれます
。









続きます
。
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若さま侍捕物帖・・・(1)
若さま侍捕物帖・・・(14) 2025年02月18日
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