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阪神・マートン、得意のＧ・沢村打ち！

阪神のマートンが貴重な適時打２本を放った。一回は相性のいい沢村から右前へ先制打。１－０の九回は右翼フェンス直撃の二塁打で一走を迎え入れた。ともに２死からと勝負強さを発揮し「チームに必要なところで打てた」と胸を張った。

　連敗中はキャラクターのマスクをかぶってミーティングや円陣に加わるなど、重い空気を打破しようと努めた。１６試合ぶりの複数安打で自身の復調もアピールした４番に、和田監督は「上昇気流に乗ってきた」と目を細めた。（

阪神・マートン、一回先制＆九回千金ダメ押し打！頼れる４番が復活だ！！

完全復活！！　と言ったら、マートンに怒られるかもしれない。たった２本だろ、と。それでもこのヒットメーカーにとっては『Ｈ』マークと、勝利が何よりの良薬。先制＆中押し打で、崖っぷちの虎を生還させた。

　「ジェイソン（スタンリッジ）がいい投球をしていて、必要なときに点が取れたよ」

　７・５差。首位巨人の影すら踏めないまま突入した直接対決。だがまだ牙は抜けちゃいない。そんな闘争心を体現する電光石火の一打は、一回二死二塁だ。試合前まで今季８打数４安打（打率・５００）と得意とする沢村の真っすぐを右前へ運んだ。「芯でとらえるスイングができた」。

　さらに１－０の九回二死一塁では、右翼フェンス直撃の適時二塁打。初回以来の得点を、またもＭ砲がもたらした。

　２戦連続の適時打に、和田監督も「上昇気流というか、いい感じになっている」と復調を確信。どん底は脱した。

後半戦７試合は２４打数３安打、打率・１２５で打点なしの大ブレーキ。４番の調子に比例するようにチームも敗戦を重ねた。自分を、チームを鼓舞するように、試合前円陣にはスパイダーマンやバットマンの覆面を被って登場した。「ミーティングでも被ってたわ。何にも言わんと」と指揮官が苦笑すれば、スタンリッジは「自分も（東京Ｄに）マスクを持ってくればよかったよ。『キャプテンアメリカ』や『アイアンマン』を持っているんだ」とにやり。暗い空気を、マートンが少しずつ変えていった。

　夏のロードが幕開けしたが自分を見失わない。「やることは変わらない。ベストを尽くすだけだ」。遠征先でも一般のジムに足を運び、トレーニングに精を出す。ベンチプレスやダンベルの回数など、自分で課したメモを片手にメニューをこなす。来日４年目。日本の夏の怖さを熟知している。「水をたくさん飲むように心掛けているんだ」。水分補給から滝のような汗をかき、“キレ”を生み出している。

イチロー看板直撃！虎・新井、トドメ１２号２ラン

ドーム中に轟音が鳴り響いた。大きな放物戦を描いた白球は、左翼席上部の看板を直撃。新井はバットを豪快に投げ捨て、ダイヤモンドを悠々と一周した。主砲がトドメの一撃。１１試合ぶりの１２号２ランで、勝利を決定付けた。

　「完ぺきだったね。うまく反応できた。次（巨人の攻撃）が３番からだったから、なんとかもう１点、と思っていた。それが最高の形になってよかった」

　試合後、バスへ続く通路を歩きながら満面の笑みを浮かべた。感触、弾道、すべてが完ぺきな当たりだった。

　九回二死から、鳥谷が中前打で出塁。続くマートンの適時二塁打で待望の追加点を奪い、２－０として、なお二塁。鋭い目を光らせ、巨人の３番手、アコスタのスライダーを思い切り振り抜いた。高々と舞い上がった打球は、左翼席上段に設置された「ＫＩＲＩＮ　一番搾り」の看板を直撃した。

試合を決めただけでなく、ビッグボード賞として賞金１００万円とビール１年分までゲットした驚弾。「（看板に当てたのは）初めてじゃないよ。タイガースでは初めてかな。前に桑田さん（当時巨人）から打ったような気がする」とにんまりだ。広島時代の２００５年以来、自身２度目。球宴ではＭＶＰに敢闘賞と計４００万円を稼いだ男が、さらにビッグボーナスを手にした。

　強敵に燃えるのが虎の主砲だ。今季のＧ戦は、１５試合で６１打数１９安打（打率・３１１）、５本塁打、１３打点と好成績。東京ドームでも、これで４発目となった。

　日々の積み重ねが結果につながっている。試合前フリー打撃では、下半身の使い方を意識する。だが、この日は水谷チーフ打撃コーチから「少し下半身が使えていない。右足が伸びとる」と指摘を受けた。改めてポイントを見直し、すぐさま修正して見せた。

　「一戦一戦。チャレンジャーだから思い切りぶつかって。またあした」

　視線はすでに３日へ。絶対にあきらめない。新井のバットが逆転Ｖへの道を切り開く。

“男前強肩”発動！虎・藤井彰、三盗刺した

Ｇ党の歓声を、一瞬でため息に変えた。藤井彰の“男前強肩”が発動した。１－０の六回一死二塁、打者は４番・阿部。どう抑えようか…という１球目、二走・坂本が三盗を仕掛けてきた。ヘッドスライディングより一瞬早く、ストライク送球。間一髪、アウトだ。

　「阿部に集中、というところでね。１球目からまさかとは思っていたけど、逆に隙を与えてしまっていたということ」

　藤井彰は「巨人はダブルスチールとかをよくやってくる。アウトになったから良かったけど、あれがセーフならビッグプレーになっている」と冷や汗。阻止したことより「隙を与えた」ことを反省するとは、いかにも捕手らしい。

坂本はこの試合まで盗塁成功率・９００（２０回中１８度成功）。しかもシーズン開幕前のサンスポ恒例『猛虎のお約束』で「セ界の男前の盗塁を刺す」と指名していた、甘いマスクの持ち主だ。すでに荒波（ＤｅＮＡ）を仕留め、ご褒美の高級エステ招待まで残すは梵（広島）、大島（中日）、ミレッジ（ヤクルト）となった。

　試合中はベンチでもスタンリッジと頻繁に“激論”を交わし、対策を怠らなかった。

　「狭い球場でどの打者にも一発があるから、とにかく低めにと口酸っぱく言っていました」

　肩もリードも光った。打っても３打数１安打。逆襲の虎の中心に、頼れる男前がドカッと腰を下ろしている。

トドメ演出！阪神・鳥谷１０試合連続安打

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