梅林庵

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2012年12月20日

キリマンジャロの雪

(2)

カテゴリ：映画

平成24年12月21日(木)

　今日は会社を休みました。この日はポカ休と決めていました。予定のやりくりが奏功しました。何のことはない、妻を誘い映画を見るためでした。「キリマンジャロの雪」今日が最終日でした。

　これ、どうしても見たかった。マルセイユの港湾労働者が主人公です。不景気で人員整理ということになり、定年を待たず退職する羽目になりました。実直な彼のため、同僚が送別会を催します。皆がお金を出し合ってアフリカ･ケニヤへの旅行券と多額の餞別を贈りました。そこまではよかった。夜、強盗が入り、お金とチケットを盗まれてしまいます。ひょんなことから犯人はすぐ捕まりました。一緒に解雇された若者でした。彼には二人の弟がいました。話はここから佳境でした。主人公夫婦の人を想う気持ちが、えもいわれぬいい感じを出しています。罪を憎んで人を恨まずということばがありますが、これがピタリはまるような内容でした。見てよかった。
　ストーリーとは別に、港町の風情、行き交う船の醸す旅情、海風の吹く色合い。これらもいい感じでした。マルセイユはコート･ダジュールに含まれませんが、同じような感じを受けました。写真は若い時分に旅した時のものです。赤うそです。行ってみたい。

閑話休題、ランチは大分県で一番高級なイタリアンに入る予定でした。そうしませんでした。同行者の言を入れ、丸亀製麺に突っ込みました。ぶっかけうどんを食べました。福沢先生の家出を覚悟していましたが、野口先生が出ていっただけでした。安上がりの妻です。

　店を後にして、ウィンドウショッピングをしたいという彼女と別れました。紀伊國屋書店へ行きました。大きい本屋は時間つぶしに最適の場所です。新書と旅行雑誌のコーナーがよかったです。手帳カバーはないか訊ねましたが、置いていないとのこと。残念。前後しますが、KIHEIカフェという喫茶店に入りました。彼女はモンブラン、私はチーズパイをコーヒーで流しました。豆はブラジルでした。うーん、好みではない。
　隣に70年配のおっさんが腰掛けました。小太りでした。ザンバラ髪ですが、口ひげは整えられていました。岸井成格さんに似ていました。血圧が高そうな顔色でした。ラフ、いやちょっと崩れた感じのするズボンとパーカーでした。スリッパ履き。文庫本を取り出し、サンドイッチを頬張りながら読み始めました。美味そうな食べっぷりでした。何とはなしにいい感じでした。私もこんな老人になりたい。
　帰宅は夜になりました。火鉢に熾火を入れました。上乾の干物をあぶってみました。