梅林庵

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2013年03月11日

新聞記事にちなんで

カテゴリ：徒然

平成25年3月11日(月)
　午前6時起床。晴れ。
　昨夜、葛根湯を飲んで汗をかきました。けだるさは残ったものの、会社を休むほどではありません。出勤しました。午前、午後とも会議。何回か発言しただけでした。途中、午後2時46分、サイレンが鳴りました。皆、起立して黙祷しました。夜、K支店向け。顧客の皆様と意見交換をしました。帰宅は午後9時を過ぎました。
　本日ノンアルコール。
　今朝の朝日新聞にサヴァリッシュの追悼記事が載っていました。日本との縁、N響との関係が書かれていました。とてもよい文章でした。署名記事でした。吉田純子という方でした。調べたら、芸大の楽理科を卒業し、朝日新聞社に入社したとのこと。音楽専門記者だそうです。楽理科とは、音楽史や民族音楽、音楽美術などを研究する分野です。音楽とはなんぞやということを極めるのでしょう。プレイヤーとは異なる、いわゆる音楽学者です。話がそれました。彼女の記事中に｢ドイツの新聞が『(サヴァリッシュは)ほとんど日本人になってしまった』」とありました。この記事を読んで、逝った大指揮者と日本との繋がりにドナルド・キーンを感じました。
　クラシックついでにもう一つ。日経文化欄に中澤宗幸氏の文が載っていました。ヴァイオリンの修理や鑑定をする方です。かつてNHKニュースが、彼のこさえた楽器のことを取り上げました。今日の記事もその延長にある内容です。かいつまむと以下のとおりです。引用します。
　震災直後、がれきを見た妻に「あれは『がれき』なんかじゃないよね。家族の思い出が詰まった山だと思う。ねぇ、あの木でバイオリンが作れない？」と言われた。確かにそうだと思い、「私は森に立っていた時は木陰で人を憩わせ、バイオリンになってからは歌って人を憩わせている」というギリシャ語の言葉を思い出した。天井の梁と床材を削ってこさえた。昨年3月11日、陸前高田の慰霊祭でギトリスに弾いてもらった。彼とは長い付き合い。得意の皮肉なジョークで「本当におまえが作ったのか？　それにしてはいい音がする」とほめられた。以来、黒沼ユリ子、アドリアン・ユストゥス、ニコラス・チュマチェンコら約130人に弾いてもらった。皆さん「深い音色がしますね」とおっしゃる。10年かけて先任にリレーで演奏してもらおうと考えている。(一部抜粋)
　いい話です。ジンときました。
　ギトリスの名前が出たので、昔の話を。まだ東京で働いていた頃、五反田の「ゆうぽーと」であった読売日本交響楽団演奏会を聴きに行きました。その折、チャイコのヴァイオリン協奏曲を弾いたのがこのマエストロでした。癖のある音楽を感じました。思い入れが深い感じでした。その年は読響20周年に当たるということで、アンコールに彼はGood Morning to Allを演奏しました。楽団員が大喜びしたことを覚えています。以来、彼のレコードは目にとまったものすべて購入しました。大曲より小品により濃い色合いを醸すヴァイオリニストという印象があります。ヴィターリやバッハは出色です。悪魔のトリル、シャコンヌ・・・。とりとめのないことを書きました。一緒に聴いたTさん、今はどうしているかな。