平成25年10月18日(金)
床屋に行きました。頭をあたってもらうと、眠くなります。ウトウトしました。気がついた時はひげそりを残し、あらかた終わっていました。隣に座ったおっさんの話が聞こえました。行きつけの店は、それぞれの椅子を観葉植物で仕切っています。顔は見えません。声色をして70辺りかなと思いました。面白かったので、紹介します。
彼曰く「こないだ、頼まれ仕事をして状袋に入った5千円の謝礼をもろうた、ほいて帰りに田舎のスーパーに寄ったんよ、ワンカップ大関を買おうち思うたんよ、助手席にその謝礼をおいたまま車を離れたんがいけんかった、ちゃーっとやりそこのーた、鍵をかけんままじゃった、ほんの一時よ、そん間にやられてしもーた、年金生活じゃーきー5千円ぁこたうわい、痛えー、それいしてん盗人のこつー考えたら腹が立つやら、あんしぇめー(あの狭い)地区に人んもんを盗ろーっちする奴ぁ誰か判っちょろーけんどのー、世の中、働かんで楽ーする者がおるんが情けねーわい、帰って嚊にこんこつー言ったら、『そらーあんたが馬鹿じゃー、鍵をかけんで、窓を開けたままじゃったら盗ってくだんせっち言いよるようなもんよ、ほんと馬鹿じゃなーあんたは、そんこつー人ぃ言うたらいけんで、あんた方んぁ馬鹿亭主じゃなーっち、私が笑わるるきーなっ!』ち言われた、そげーバカバカ言わんでもよかろーにのう、嚊ん奴ぁおまい、何かありゃーただ儂んこつーバカバカ言うんよ、バカタンなーどっちか、誰ぃ養われちょるんかっち言いてーんよのぅ、嫁ぃ来たときぁおまい、ハイハイゆうて可愛らしかったけんど、今ぁよう肥えて色もなんもねーわい、パクパク喰いさがいてからぃ、しまたつかん、オナゴもあがっしもーたら終いじゃわい、よいママさん(床屋のマスターの奥さん、彼女が彼の頭をあたっている)手前ぁ旦那ぃバカっち言うたらいけんど、大事ぃせんとな、あーはげらしい」
今日は山の親方に会いました。元気そうでした。カップリの調子もいいみたい。減った体重も元に戻ったようでした。話している最中、以前に厚誼をいただいたKさんが通りかかりました。挨拶をしました。最近、その業界が変わってしまった、あの頃が懐かしいと話しました。必然、話は某のことになりました。某は某の弟が死んだとき、葬儀に呼ばれなかったそうでした。本当かどうか知りませんが、某のことです、さもありなんと思えなくもない。しかし、聞きたくない下賤話ではありました。Kさんは「今年のサツマイモは出来が悪い」といって去りました。Mさんの話になりました。親方の集落に住んでいた人です。村八分のようなことになっていて、不憫に思った親方が親切にしたことを後で聞きました。彼は窃盗で懲役刑を受けた人です。仮出所して、更正したかに見えました。しかし、池波正太郎が鬼平に書いてあるがごとく、この病気は治りません。某宅納屋の冷凍庫から猪肉を盗みました。再度塀の向こうへ。昨年、多臓器不全で亡くなったのでした。私、彼と何度かあったことがあります。鮎狩りに行きあわせ、彼の網で狩ったこともありました。「であります」調の語尾は刑務所言葉なんでしょう。印象深かったです。親方は別れ際に豆腐を買ってくれました。へんてこりんのカボチャをもらいました。
閑話休題、帰宅して文庫本を手に長風呂。たっぷり汗をかきました。プルトップを引きました。KIRIN秋味。次いでキャンティを抜栓。当てはタラの西京焼きでした。食べながら流しながら
「そろそろブワの季節だね」
「近いうちにそうするわ」
ブワとはタラの剥き身です。鱈ちりをリクエストしたんです。コッド、いい響きです。
今日の一句
馬鹿馬鹿と世間話に花の咲く
今日の写真は豆腐屋です。店主はは朝方に始末を終え、無人でした。5千円盗む輩もいますが、ここの小銭は盗まれない。
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