梅林庵

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2017年03月07日

石鼓文

(2)

カテゴリ：あれこれ

平成29年3月7日(火)

　午前4時起床。晴れ。外気温は4℃だったかな。真冬の寒さではありませんが、寒の戻った一日でした。乾燥注意報が出て火の元には用心ですが、吹く北風に割った薪の乾くことをイメージし、何とはなしに嬉しい杣夫です。斧を使う薪ストーブ愛好家だけが感じることの出来るえもいえぬ感覚。

　今日から年4回ある大会議。明後日までその名のとおり大きな会議場に缶詰となります。今日は予定より早く午後3時前に終了。以降、懸案事項についてのミーティング準備やハンコ押し。テリトリーの仕事を若い連中がこなしていきます。持つべきは部下です。定時過ぎに退社、アフター5に走ったり本を読んだり出来るのは彼等のおかげです。午後6時を待たずに会社を出ました。数時間前から少し頭痛。帰宅してランの格好に着替えましたが、寒風をついて走るのはちょっと。ということで風呂に。黒霧のお湯割りを引っ掛けました。帰ってきた妻がポトフをこさえてくれました。コンチャイ・トロの逸品、サンライズを開けました。前にも書きましたが、1,000円以下のスクリューキャップにあってはこれが最高峰。チリワインを広めた立役者。ストライクはカベルネ・ソーヴィニヨンですが、今日はカルメネール。これも出色。香りは勝るとも劣らない個性です。

　閑話休題。日経が3月5日に紙面をリニューアル。NIKKEI STYLE という日曜版を始めました。期待していたのですが、どうも広告が多いような感じです。切り口そのものが広告になっています。経済新聞ですから仕方ありません。で、その中にCulture の頁があり、次の写真を掲載していました。

　象形文字のようです。石鼓文（せっこぶん）との説明がありました。調べたら秦の時代以前の文字で、唐の時代、花崗岩に刻まれたものが出土。周あるいは殷の時代の「狩猟を描写した詩が刻まれ」ているんだそうです。それはそれとして、このたび出版された漱石「心」、ブックデザイナーの祖父江慎氏が手によるこの装丁が美しいのだそうです。装丁史研究家・臼田捷治氏が紹介でした。「こころ」の初版本に漱石がこれを使い、100年を経て新たな息吹という切り口でした。

　私がこのコラムに惹かれたのは、次の写真をしてです。拙宅にある｢漱石全集」です。この装丁も石鼓文。全集は全29巻。図書館で気に入り、10年ほど前にヤフオクで二束三文、手に入れました。当時は石鼓文の何たるを知りませんでした。「珍しいな」とは思っていましたが放念。コラムを読んでそれと判り、一つ納得のいった杣夫でした。