梅林庵

梅林庵

2018年06月02日
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カテゴリ: 日記
平成30年6月1日(金)




 午前6時に朝ご飯を食べました。いつもより1時間ほど早くに家を出ました。臼杵向け。ちなみに大分県の県都は別府湾の南側に位置する大分市。そこから海岸線を南に向かうと順に臼杵市、津久見市、県の南端が佐伯市です。市の南側は宮崎県延岡市。
 戻ります。臼杵港に着きました。ここからフェリーに乗り、八幡浜に向かいます。そうなんです、今日は愛媛県宇和島市へ出張でした。弊社の観光部門は観光客誘致が仕事。最近はインバウンドと称し外国人をお迎えしよう、鄙にあって10年前は思いもしなかった動きが活発です。先日、私のまちに台湾の高校生がやってきたのもその一例です。海外からのお客様を増やす手立てには、クルーズ船の誘致もあります。今日は瀬戸内にあって同じ目論みの同業他社、大小100あまりが宇和島に集まり、戦略を練るシンポジウムを開きます。足を運んでみることにしました。
 臼杵と八幡浜を結ぶ宇和島運輸のフェリーに乗って豊後水道を横断。ちなみに九州と四国を結ぶルートは4つあります。別府と八幡浜、大分・佐賀関と愛媛・三崎、私のまち佐伯と高知・宿毛、それにこの航路です。ターミナルに着きました。チケット購入用紙に住所氏名連絡先と車の種類、車長、ナンバーを書き、車検証と共に窓口へ。



 綺麗な女性が笑顔、行ってらっしゃいと言いながら乗船切符を手渡してくれました。



 この航路は2隻の船が相互にピストン。待合の駐車場は半分が乗用車、半分がトラックでした。愛媛、高知、それに宮崎ナンバーが目につきました。



 おっ、これから乗る船が近づいてきました。舫綱が放たれるの図。



 接舷すると腹が開きます。大型トラックがどんどん出てきました。



 空になると私たちの乗船です。中はこんな感じです。



 午前8時50分出港。梅雨に入りましたが、天気予報は今日明日と晴れ。甲板に出てみました。70代とおぼしき男性二人が景色を楽しんでいました。並びの写真を撮って欲しいとカメラを渡されました。お安いご用。それをきっかけに世間話。彼らは宮崎・高鍋にお住まいの友人同士。これから四国旅行を楽しむとのことでした。私も早くそういう身分になりたいな。



 大分・佐賀関のランドマーク、銅を精錬の煙突が見えてきました。海の青、空の青が目に沁みました。



 船室に戻りうとうと。やっ!もうここまで来たか。そろそろ下船だな。



 車に戻りました。ここを出ると四国です。



 少し早いが昼をしていこうか。出張の楽しみは食事です。港の近くに「どーや市場」という海産物直売所がありました。覗いてみました。鮮度抜群の鰺や鯛が売られていました。



 太刀魚や蛸も。カラフルな色合いです。



 おっ、すり身の実演販売をしていました。



 次から次と揚がっていきます。



 一枚頂戴。80円。八幡浜ではこれを「じゃこ天」といいいます。熱々。



 釜揚げのシラスとカマス・鰺・鯛をそれぞれ酢締めの寿司を買いました。これが昼飯。



 ところがこの握り、なんとお米ではなく、雪花菜でした。驚きましたが、これはこれで悪くない。



 さてと、宇和島向けに車を転がすか。イートインを出たところでスマホがブルッ。画面を見た途端、駐車場の車止めに躓き、転びました。カメラ、サングラス、スマホのそれぞれがアスファルトにカチャカチャ散らばりました。もんどりとはこのことです。強か(したたか)、膝と肘を打ちました。幸い3点セットは無事。傷んだのは私の小指でした。皮が剥けました。



 宇和島までは1時間ほどの道程です。高速道路が走っていますが、時間があったので、下の道を通りました。おかげで、こんな美しい景色を見ることが出来ました。愛媛県は伊予国です。大まか、東予、中予、南予の3地域に分かれます。走った一帯は南予。海と蜜柑山の景色が続きました。



 ホテルに着いて、すぐ近くの宇和島駅へ。ここから会場向けの送迎バスが出ます。時間があったので待合室を覗きました。お遍路さんがいました。声を掛けました。年齢70、千葉県在住、遍路は3回目、過去2回は八十八カ所巡り、今回はそれとは別にイレギュラーの巡礼箇所20カ所だったかあるそうで、そこを巡礼、なのだそうです。ふーん、そうなんだ。いつか私も廻ってみたい。でも歩くのは嫌だな。やっつけるとするなら自転車だな。



 さて、知らないまちをぶらぶら楽しんでいるわけにもいきません。仕事をしなければ。送迎バスに揺られ、会場へ着きました。講演会とパネルディスカッションに4時間近く。あれこれ参考になることがありました。一つだけ挙げておきます。クルーズ船客の日本に求めるものは、中国の爆買いが皆さんを除き、キーワードは「LOCAL」だそうです。それなら私のまちも可能性があるぞ、そう思った次第です。いえ、これはここに来てわかったという話ではなく、言われて久しいことの確認でしたが。写真はパネディス。本題を逸脱の発言もありました。面白かったです。それを以下に。同業他社、某社の車長が自分のまちを紹介の弁です。曰く
「私のまちは鯛の養殖が盛んだ。日本の養殖鯛は2/3が私のまちで生産される。つまり、東京で鯛を2枚食べたらそのうちの1枚は私のまちの海を泳いでいたものだ。どうだ、素晴らしいだろう」
 南予に「とっぽさく」という方言があります。ホラ吹き男のことです。その話をとっぽ話といいます。まさにそれでした。



 会が終わり、午後7時から懇親会。オードブル形式の立食。名物のすり身もありました。飲み物はビールのみ。名刺交換が目的のセッティングでした。社長や随行、或いは代理の面々、多くの方と話をしましました。



 会が跳ねました。送迎バスにのるのもいいけれど、まちの中を歩いてホテルへ戻るのも悪くない。夜風に当たりながら、ということで20分、ぶらぶら散策がてらでした。
 フロントで鍵を受け取りました。部屋に荷物を置きました。なんだか生殺しの気分でした。折角宇和島に来たんだ、夜のまちも知っておかねば。ということで再びフロントへ。アウェーにあって探索時間のない場合、手っ取り早く情報を得るにはここに限ります。素敵なお姉さんがこの店を教えてくれました。「がいや」という海鮮居酒屋でした。



 元気のいいお兄さんに勧めの当てと酒を訊きました。これを見せてくれました。



 生蛸を注文。



 飲み物は地酒に限ります。メニューの端からやってみようか。



 サッと出てきました。こぼれるくらいに次いで頂戴ね。



 口からいきました。コップが小さいのですぐに空きます。間に合いません。



 都合3種類を楽しんでここを後にしました。
 もう1軒ということで、「がいや」に紹介され、GINAというワインバーへ突っ込みました。グラスワインを頼むと「これ」です。なみなみ過ぎました。



 メニューを見ると「1時間1,000円で飲み放題。30分追加が500円」とありました。信じられない安さです。これにすればよかった。



 そういえば「がいや」にも放題があったな。2時間飲み放題で1,580円。亮さんがこのまちに住んだらこの店、潰れてしまうな。カウンターのお姉さんに尋ねたところ、宇和島の居酒屋は大小にかかわらず、飲み放題メニューを競っているとのこと。ふーん、そうなんだ。飲み助にはありがたい土地柄です。



 ホテルに戻る途中、ついコンビニへ。悪い癖が出てしまいました。



今日の類語
休み

今日の一句
凪なるも速吸瀬戸大うねり

今日のラン
なし

今日の酒
ビール中瓶2本 冷酒3合 ワイン1グラス オリオンビール1缶

今日の写真はこのまちのランドマーク、宇和島城です。ライトアップされていました。




平成30年6月2日(土)
 午前4時起床。快晴。
 持ち込んだ「街道をゆく」を朝食の時刻まで楽しみました。
 今日はエクスカーションです。エクスカーションとは、国土交通省中部地方整備局によると
「従来の見学会や説明を受けるタイプの視察とは異なり、訪れた場所で案内人の解説に耳を傾けながら参加者も意見を交わし、地域の自然や歴史、文化など、さまざまな学術的内容で専門家の解説を聞くと共に、参加者も現地での体験や議論を行い社会資本に対する理解を深めていく体験型の見学会」
です。
 1万トンクラスのクルーズ船が年10回程度、宇和島に寄港するそうです。その際、下船した乗船客の見て回るコースを昨日のシンポに参加した私たちがなぞるエクスカーションです。写真はその手始め、宇和島城です。宇宙を支配する数式を熟知、はたまた歴史文化にも造詣の深いのが亮さんです。この城をして仙台・伊達藩の関係に惹かれることと思います。観光ガイドの方に詳しい説明を受けましたが、政宗の政略は奥が深い。



 次いで、遊子水荷浦(ゆすみずがうら)の段畑(だんばた)を訪ねました。ちなみに水荷浦という読みは、半島の雨不足、水不足をしてのことだそうです。育った土地の娘さんが嫁いだ先からの里帰りに水桶を背負ったことから、だそうです。厳しい生活を窺い知る話ではあります。くねくねの入り江に沿う道をバスに揺られて40分、半島の先端が目的地です。遠くに禿げて見えるところがその段畑です。



 着きました。圧倒されました。石の城壁です。「耕して天に至る」と言いますが、まさにそれです。80段とも90段あるとも。



 中腹からの写真です。この畑に男爵芋を植えるのだそうです。



 地元ガイドの男性曰く
「江戸時代、開墾が奨励され、段畑になっていった。明治になり養蚕のための桑を植えたが昭和恐慌で繭の価格暴落。寒村にあって取り組んだのが北海道の男爵芋栽培。雨の少ない気候温暖、加えて石が太陽に照らされ熱を保つので霜降なし、11月に植えて3月に収穫は日本一早い、しかし段畑は勾配のきつく(最大斜度40度)重労働、今は糧を得るためが半分、景観を守ろうという思い半分。地区は40戸ほど。平均年齢は80近い」
 なるほど。面白いことに、段畑の所有は1枚数単位ではないということです。所有権の境界線は重なる段を縦に走るのだだそうです。或る所有者が耕作を止めるとその部分が耕作放棄地。忽ちこの態です。



 段畑、添え故、所有の上下の段へは梯子、だそうです。



 ガイドさんの言うとおり上り下りは難儀だな。植え付けの際はマルチシートを敷く仕事もあるそうです。男爵を背負っての下り、推して知るべし。なるほど、クルーズ船客はこういう日本を好むのか。写真は麓の休憩所に置いてあった写真です。マルチシート張りの作業が写ってありました。



 宇和島のまちに戻りました。道の駅「みなとオアシスうわじまきさいや広場」でイベントをやっていました。その名もハワイアンフェスティバル。ハワイと交流があるそうです。その由来は悲し事故からでした。このまちにある宇和島水産高校の実習船がハワイ沖でアメリカの潜水艦浮上の際、転覆、沈没しました。乗組員と多くの生徒が命を落としました。それ以降、記憶を風化させない交流が続き、悲しみが安息に代わりつつの今となっているとは市役所の方の弁。賑わっていました。写真はフラダンスを楽しむ市民です。



 宇和島は真珠のまちでもあります。真珠養殖の紹介と販売を兼ねた真珠館がありました。中に入ってみました。



 真珠の核入れに使う器具を展示してありました。なんだか歯医者の使うもののようです。



 もちろんパールの即売も。私、宝石を鑑る目はありませんが、一応酔散人です。佐伯にも養殖場があり、現場が長かったので真珠の目利きは出来ます。銀座のミキモト或いは田崎のショーケースに100万円のものがここでは格安です。生産地ならでは、です。



 別のフロアに、祭りに使う牛鬼を展示。宇和島のシンボルです。



 折角なので、小さい奴とツーショットに収まりました。



 おっと、ぼやぼやしていたらフェリーの時刻に間に合わない。宇和島よ、さようなら。一路八幡浜向け。写真は途中に寄った道の駅「どんぶり館」。トイレ休憩でした。



 おっ、土佐刃物の出店だ。こういうのに目のない杣夫です。道草しました。



 夜昼トンネルの手前に豚太郎ラーメンの看板を見つけました。豚太郎はトンタロウと読みます。大学2年の夏、高校の同級生にして高知大学に通う悪友Tを訪ねたときのことです。音訓読みの不得手が杣夫でした。ブタタロウと読んで笑われたことを思い出しました。四国にチェーンのラーメン店です。



 ここで遅い昼をしました。写真はメニューです。どうです?禁玉さん。四国は物価が安いでしょう。レート1ラー=600円、固定相場の国です。



 食べたのは塩ラーメン。汁を干したいのを我慢しました。



 フェリーターミナルにつきました。再度道の駅「どーや市場」を冷やかしました。流石蜜柑のまちです。棚に並ぶ蜜柑ジュースの類い、その数に圧倒されました。



 昨日躓いて転ばされた犯人を見つけました。つま先で蹴ってやりました。こんちくしょうめ。



 午後4時前のフェリーに乗船。やれやれ。おっ、船内の売店がいい感じです。ビールが冷えています。プシュッといきたいところでした。しかし、一人の出張。臼杵から佐伯までの運転があります。我慢しました。



 文字通りお茶で喉の渇きを濁し、デッキへ。海は油を流したような凪でした。この写真だけを見るとエーゲ海をクルーズに思えます。



 傾いた夕日が速吸瀬戸に映えるの図。左が関崎、右が佐多岬です。



 如何です?この写真。デッキにもたれてこの海を眺めていたら、出張であることを忘ました。あれこれ来し方行く末のことを思いました。隣に綺麗な女性がいたらいいな。



 豊後水道は瀬戸内海、西の出口です。山陽の工業地帯に出入りする東南アジアからの船はすべてここを通ります。往来頻繁です。



 午後7時、家に着きました。シャワーを浴びてプシュッ。座ったまま寝落ち。促されて布団に倒れ込みました。


今日の類語
「涼しい」
涼気、涼味、新涼、秋涼、秋冷、秋気、いずれも葉書挨拶文が時候に適、秋に用います。

今日の一句

梅雨晴れに心を通る涼風か

今日のラン
なし

今日の酒
アサヒスーパードライ2缶 冷酒1合 ワイングラス2

今日の写真は遊子で見かけた猫です。



 訪ねてくる観光客の与える餌を期待してか随分と慣れていました。








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Last updated  2018年06月03日 09時58分37秒
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Comments

禁玉減酒 @ Re:のんびりの休日(06/22) New! こんばんは~。 お酒、ありがとうござい…
山本晴望@ Re:のんびりの休日(06/22) New! パールマンとジュリーニのベートーヴェン…
幻のマリブラン@ Re:のんびりの休日(06/22) New! 函館のおぢさん日記から辿り着きました。…
nkucchan @ Re:宴会の酒を我慢して魚喜家へ突っ込む(06/21) New! 気持ちイイ飲みっぷりですね~ お店の大将…
一人親方杣夫 @ Re[1]:宴会の酒を我慢して魚喜家へ突っ込む(06/21) New! 亮おじさんさんへ こんにちは。 腹一杯…
一人親方杣夫 @ Re:宴会の酒を我慢して魚喜家へ突っ込む(06/21) New! こんにちは。 グラスの容量は90mlくらい…
亮おじさん@ Re:宴会の酒を我慢して魚喜家へ突っ込む(06/21) いくら小さなグラスとはいえ、ほぼ一気飲…
シミ君 @ Re:宴会の酒を我慢して魚喜家へ突っ込む(06/21) こんにちは。 親方さん、いくら何でも飲…
一人親方杣夫 @ Re[1]:ポテサラは手間がかかるけど美味しい(06/20) nkucchanさんへ おはようございます。 …
一人親方杣夫 @ Re[1]:ポテサラは手間がかかるけど美味しい(06/20) 禁玉減酒さんへ おはようございます。 …

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