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ゴキとの闘いは、もう30年近くにも及ぶだろうか。
最初に出会ったのは、子供の頃台所の椅子に座っていて、ふくらはぎの裏が何だかこそばゆいな、と思って見てみると、黒い物体が這っていた・・・それがゴキだった。
それからというもの、ゴキは常に私の人生とともにある。ヤツラは私の死角でこっそり大量発生し、気づきそうで気づかない微妙な気配をちらつかせながら生きているのだ。人が生息するところに必ずゴキはいる。たとえ人類が滅亡しても絶滅しないらしい。一体彼らは何なのだろう。
しかもゴキは、虫のくせにやたら対抗意識が強い。人間と目を合わせ、こっちがおかしな動きに出ようとすると、突然バタバタと顔めがけて飛び掛ってくる。ふとんの中にも余裕でもぐりこんでくる。もう許せない。やつらを滅ぼすしかない。
そこで薬局へ行き、据え置き型のゴキ駆除剤を買い込んで、部屋の隅という隅に置くことにした。ゴキはすぐにいなくなった。だが先日、巨大ゴキを発見。どうやらクスリが切れたらしい。速攻で薬を手に入れ、以前と同じ位置にセット。
なのに、今日、また別のゴキが現れた。
ゴキは突然部屋の壁に姿を見せ、動転した私がゴキジェットを死ぬほど振り掛けると、のたうちまわりながら壁中を駆け巡り、ソファの上に飛び乗り、天井を這った。もう力尽きるというのに何故天井を這うのか。私の頭の上に落ちてくる気か。
ゴキは羽ばたきながら床に落ち、絶叫しながら逃げ惑う私。ひっくり返ったゴキにさらなるゴキジェットを。
そして今まさに、息絶えようとするゴキを、こうしてブログを書きながら見届けている私である。何故かって?ゴキは死んだふりをするからです。死を確認するまでは絶対に気を抜けません。
そういえば数年前、近所のアパートに住んでいたイギリス人から、夜中に電話がかかってきたことがあった。
「さっき僕の部屋にゴキブリが出たんだ!信じられないよ!もしあと一度でもゴキブリが出たら、僕はもう引っ越すよ!」
イギリス人はゴキを見たことがないのだが、彼をちょっといいなと思っていた私の気持ちはその時若干冷めた。
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