風狂夜話2

風狂夜話2

2007年10月30日
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私自身たいした経験や理論をもっているわけではないから。

しかしこの問題は案外底深いものがあると思われる。

私はたとえば「父親殺し」が文学的テーマになるように、「性」の不安や、

隠蔽が今日の凶悪事件の根底にあるように思われてならない。

昔は日本のほとんどの集落は農業共同体であり、むらの掟が絶対でさからうと

村八分や追放の憂き目にあった。

その厳しい掟といわば伴走して「夜這い」とか「若衆宿」といった「性」の

開放または発散の場が許された。



支配階級とは別な共同体の無政府状態をつくったのである。

近代のサラリーマン社会における専業主婦の誕生で「性」は家族のなかに閉じ込め

られてしまう。


都会における「性」産業はあきらかに農村共同体の性的開放や教育とは別のいかがわしい

女性蔑視の風俗となっている。

農村では昔から女子は労働者であり一定の役割をもち、性的関係においても男子とほぼ

対等もしくは選ぶ権利があったのである。

その性的モラルが市場原理の透徹した都会のなかでは、もはや通用しない。

家族に閉じ込められた「性」は劣化する。

日本という国が明治以来の国民国家という体裁を維持するために、家族は「性」ができるだけ

旧農村共同体の訓練や教育の場と隔たっていることを模索する。



私たちは都会にあって、性のビジネスライクな享楽をよしとしている。

まるで自分の娘のようなひとと性を興じる。

農村共同体の生産と収穫の厳しい生活とはべつの金融経済と消費の烈しいストレス

にさらされて性はどんどん劣化する。

最後に「死」が望みになるようなエゴイズムの終着。



いまの青少年の無気力と生返事がどうも気になります。

彼らはこの情報過多をどう切り抜けるのか。能面と暴発が気になります。








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最終更新日  2007年10月30日 22時08分50秒
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