貧乏旅人 アジアの星一番が行く 世界への旅

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2026.08.02
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テーマ: 世界への旅(375)
カテゴリ: 世界への旅
ここのところ、旅に出ていないので、仲々登場しませんが。アジアの星一番の
ブログにはたま~に亜州の星次郎 が出て来るのですよ。

アジアの星一番は

時に
亜州の星次郎

時に
アラブの星一番

と世界へ旅立つ度に名前を多少変えてブログを発信して来ました。

そして、暇に任せて、南米の最南端、パタゴニア地方のyoutube を見ました。

のですねー!

それで、大氷河のペリトモレノがある、エル・カラファテに宿泊した時を
思い出しました。

この時、強烈な思い出があるのですねー! 日本人との出会いなのですよ。

実にうまい漫画を描く、絵師のおゆみ
助べぇで女にもてる、カンザシ職人の遠静
色っぽい、たわれみのおみわ

彼らと、楽しい日々を過ごしたのが、エル・カラファテの藤旅館でした。
ご主人が日本人で、奥さまが韓国人、ですので、お客さんは韓国人と
日本人ばっかりだったのですねー。

その時、亜州の星次郎になって記録した思い出です。11年前です。


================================

2010年 1月 21日(木) 120日目(アルゼンチン13日目)

つれねぇ話をしなければならないのでござんす。

亜州の星次郎、中東ってぇところを徘徊しておりやしたが、今は、南米って
ニッポンからは、ずっとずっと遠い所を、旅しておりやす。



雪が降って、それが溶けもしねぇで、積み重なって、氷になるのでござんす。
重てぇもんで、そのでっけぇ氷が、岩を削りながら、ゆっくりと流れて来るので
ございますよ。それを氷河っていいやす。

全く、流れ者のあっしには、似たような者同士ってぇような親しみを感じやす。
どでかい氷河ってぇ奴を、じっと見ておりやすとな、そのどでかい氷の塊が、
どど~んと崩れ落ちるのでございやす。

そりゃー、ぶったまげる程の、光景ですな。
音もでけぇのなんのって、まぁ、書いても分からんでしょうが。

これが氷河ってぇ奴なんですなー。何万年も前のものらしいでござんす。






あぁ、いやいや、その話では、ねぇんです。
別の話をしたいのでございやす。

無宿・渡世人になって以来、いつもの事ながら、安宿に泊まっておりやす。
同じよう流れもんが、泊まる宿でござんすが、そこの、カラファテってぇ村には、
藤旅館ってぇ、安宿があるのでござんす。

へぇ、あっしが、その宿に着いた時には、「絵師のおゆみ」と、
「カンザシ職人の遠静」が、泊まっておりやした。

絵師のおゆみさんは、色白で、出は良い所のように思えます。
立ち居振る舞いも、落ち着いておりやしてな、素晴らしい絵を
書きなさるお方でございやす。

どうして、こんな世界の果てへ流れ着いて来たのか、聞いて見たい
思いに駆られやすが、渡世人同士の掟、そこには触れやせんぜ。
野暮な奴には、なりたかぁありやせん。

ふけぇ訳があるんでございやしょう。

そして、「カンザシ職人の遠静」ってぇ奴なんでございやすがね、こいつぁ
根っからの渡世人でしてな、狭いニッポンなんぞには住んでられねぇ
って、ニッポンを飛び出してから、もう5年目になるそうでございやす。

こいつぁ、女っ垂らしでござんしてな、行く先々で、女といざこざをおこして
いるってぇ、噂の奴なんですよ。

その「カンザシの遠静」が、稼ぎに出かけた、数日間は、平穏でございやしたな。
絵師のおゆみさんと、ずっと1日、朝から夜まで、一緒に過ごしやすした。

絵師のおゆみさんでござんす。







絵師の話を聞いたり、村を散歩したり、まぁ、渡世人がすべきでない
出来事なのでありやしたなー。旅の空、まして世界の果てで、強い風と、
うす寒い空の下におりやすと、何故か、人恋しい気持ちになるのでごぜぇやす。

きっと、絵師のおゆみも、そんな気持ちではなかったかと思うのでござんす。
でなけりゃー、こんな世捨て人の亜州の星次郎と、一緒に村は歩かねぇ
はずでございやしょう。

歩いている時に、腕や、手が触れたりすると、ドキッとしやす。
慌てて離れますがな、狭い村の道、又、触れてしまいやす。

絵師のおゆみ、こんな絵を描くんですござんす。






平穏無事に、穏やかな心をもって、絵師のおゆみと過ごしておりやした。
そのおゆみさんが、旅立つ前の夜。
「たわれめのおみわ」が、その宿に辿り着いたのでござんすよ。

着くなり、飯を炊いて、食べだしましてな、よっぽど腹が減っていたんで、
ございやしょう。どんぶり飯を2杯、ぺロリと平らげやした。


それからでございやす。

宿の雰囲気が、ガラッと変わりましてな、色っぽい、艶やかな雰囲気になりやした。
たわれめのおみわ、って女衆は、まぁ、食いっぷりもいいのですが、
飲みっぷりも、気風もよくって、廻りの男衆を明るくさせやす。

その夜、おみわが持ってきた、酒をみんなに振る舞ったことから、
翌日は、他の客も、酒を持ち寄って、宴会でござんす。



絵師のおゆみは、出立しやした。
「諸国を見て廻って、良い絵を描いておくんなせぇ」、と送り出しやした。

「はい、きっと便りをだします。星次郎さんも、元気に旅して下さいませ」
と、色白の顔を微笑ませて、手を振りながら、出ていきやした。
淋しいもんですな、別れとは。一瞬の出会いであっても、別れは淋しい。


おみわは、夕刻より、稼ぎにでかけやす。どこで稼いでくるので
ござんしょうか? 亥の刻(22時頃)をしばらく過ぎた頃、宿に戻ってめぇりやす。

それからが、宴会でござんす。まぁ、寝るのも遅くなりやすわな。
子の刻(正子)を過ぎ、丑の刻(午前2時)など盛りで、寅の刻(午前4時)を
過ぎてもまだ、飲んでやす。まぁ、それは、盛大です。







この安宿、毎日、旅人が入れ替わりやす。
宿の女将がやさしい人で、満室でも、遅く辿り着いた旅人を追い返す
ことはしないのでござんす。

ですから、男衆も女衆も、同じ部屋で雑魚寝いたしやす。


毎夜、毎夜、飲んで、朝方に寝るのですが、その、たわれめのおみわが、
まぁ、いい女衆でしてな。親しいんでござんす。優しいんでござんす。
いい気風なんでござんす。

朝は、みんなより早く起きて、朝ごはんを作ってくれるのですぞ。
しかも、ニッポンの味、飯を作ってくれるのでござんす。

嬉しいですなー。うまいですなー。
旅の空におりますとな、こんな優しさが、心に沁み入るもんなので
ござんしてなー。だんだんと心にも染み入って来るのです。

おみわのやさしさが、星次郎の心の片隅に入り込んで来た、その頃、
カンザシの遠静がけぇってめぇりやした。女っ垂らしの遠静でござんす。
気風のいい、色っぽい、たわれめのおみわを、見逃すはずがありやせん。

見ておりやすとな、じわじわと、幅を狭めて行くのが分かりやす。
あっしには、関わりのねぇことでござんすが、気にはなりやすな。

あっしが、書き物をしておりやしたらな、カンザシの遠静が、なにやら道具を
取り出しやした。たわれめのおみわと、楽しそうになにやら話しておりやす。

どうも、カンザシを作って、おみわにあげるようでござんす。
おみわも、喜びましてな、はしゃいでおりやした。


その夜、宿は満室で、小さい部屋に、あっしと、カンザシの遠静、
たわれめのおみわが、同室になりやした。

雑魚寝でござんす。


次の朝、あっしは、二人が寝ている間に出立しやした。
疲れているのか、二人は手を握り合ったまま、すやすやと寝入っておりやす。



たわれめのおみわは、言ってやした。
「あたし、早く嫁いで赤子が欲しい」、と。

その日は、いつ来るのでございやしょうか?

あっしには、関わりのねぇ事でございやすが、おみわには幸せな
家庭を持って、良い母親になって欲しいと、願うのでござんす。

無宿・渡世人にしては、気を入れ過ぎでござんしょうか?


寒いパタゴニア。
風の強いパタゴニア。

そこを後に、下を向いて、独り、北へ北へと向かいやす。
だんだん、暖かくなってめぇりやした。

ブエノス・アイレスってぇ、江戸みてぇな、でっけぇ町に辿りつきやした。

いつまで、旅が続くのでござんしょうか?




注記

久しぶりに、亜州の星次郎を登場させました。

実在の場所、実在の人物をモデルにしておりますが、全てフィクションです。

実在の、カンザシの遠静は、女っ垂らしではありません。
   (本当のところは、分かりませんが・・・)

実在の、たわれめのおみわは、たわれめではありません。   
   (本当のところは、分かりません・・・)

実在の、絵師のおゆみは、この物語のイメージに似ています。
   (本当のところは、わかりません・・・)


え?

亜州の星次郎の、心の動きは、どうなんだ? てぇ事ですかい?

どうなんでしょうねー?

今度、会ったら、聞いておきましょう





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最終更新日  2026.08.02 14:45:11
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