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2006年03月23日
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カテゴリ: 戦争映画
1996 韓国 監督:イ・ヒヨスク
出演:イ・ジョンジェ、チャ・インピョ、カン・リナほか
104分 カラー


 朝鮮戦争で北朝鮮軍の捕虜になった韓国軍陸軍少尉が、北朝鮮軍将校である旧知との確執のもと、北朝鮮政治犯収容所を脱出する話で、実際に韓国軍チョ・チャンホ中尉の脱走実話をモチーフにしているらしい。
 軍役中の役者を用いたり、激しい戦闘シーンなど巨額を投資した作品であったが、はっきり言って映画としての構成、ストーリー性、カメラワーク、音楽、演技いずれをとっても三流レベル。韓国でも興行成績は著しく悪く、日本未公開も頷ける。
 実話をもとに脱北者の証言等による体験談を盛り込んだものと思われるが、北朝鮮の実態を知らしめる意味では画期的な題材ではある。描かれているエピソードはいずれも脱北者の書いた書籍等でも紹介されているが、実に凄惨で残酷で過酷である。現在の親北政権(ノムヒョン大統領)では公開すらできないのではと思わせるほど、北朝鮮の怖さを暴露しているのだが、それだけ貴重で重要な題材を描いているにもかかわらず、この程度の出来であったことは実に残念である。
 まず第一に、15禁がかかっているだけあって北朝鮮軍の拷問や処刑シーンは実にグロい。もともと韓国映画は血糊の使用がえげつなく、特殊メイクがへたくそだが、本作は特に酷い。妊婦の腹を割いて血がどばっと吹き出たり、地面に埋めた人間の頭をロードローラーがスイカのように踏み割っていくシーンなど、そこまで描く必要があるのだろうか。韓国映画全般にも言えることだが、作品の姿勢が常に攻撃的でトゲトゲしい。見ていて休まることがない。
 次に、カメラワークと映像構成がとにかく稚拙。無意味なアップや直接的な映像、そして時折挿入されるフラッシュバックのつながりが悪い。また、ラブシーンは、30年前の日本のテレビドラマを見ているかのような臭さで見るに堪えない。
 また、役者の演技もひどい。主役の韓国軍少尉役はまあまあだが、それ以外の敵役や脇役連中は素人並み。特に、本作で重要な鍵を握っている北朝鮮軍上佐役は表情がなく、彼の心理状況を読み取ることができにくいのは致命的。さらに、女性収容者などが無駄にヌードになり、SEXシーンが多い。韓国エロ映画に登場する女優も多いのだろうが、たいして美しくもないヌードがてんこ盛りというのは逆に興ざめだし、作品のレベルを落としている。確かに、北朝鮮でのSEX事情、収容所での妊娠の横行などはよく知られはいるが、もう少し描き方があっただろうに。ちなみに、準主役のカン・リナはこのとき既に32歳・・・。韓国人って皆おっぱいがお椀型なのね。あんまり美的とは思えない。

 戦闘シーンは冒頭と途中に少しだけだが、火薬使用量だけは相変わらず激しい。ただ、カメラワークが悪いせいで稚拙なイメージになってしまっている。さらに、白兵戦でのカンフー張りのアクションは頂けない。兵器類では、北朝鮮軍に化けたM48パットン戦車が数台出てくる程度。
 本作は北朝鮮事情を暴露したという意味で、高く評価したいのだがいかんせん出来が悪い。親北派の増えつつある韓国でもっと視聴されてしかるべきだが、当の韓国人はどう思っているのか。まさかフィクションだと思っているのではないだろうか。

(以下 ややネタバレ注意)
 最後に、本作で取り上げられている収容所等での残虐なシーンをあげておく。いずれも脱北者の書籍等でも紹介されおり決してフィクションではないらしい。


興奮度★★★
沈痛度★★★
爽快度★
感涙度★



 朝鮮戦争が勃発し、ソ・キョンミンは韓国陸軍少尉として北朝鮮軍と戦う。しかし、中国軍の加勢を受けた北朝鮮軍と戦車の前に部隊は降伏し捕虜となる。ソ・キョンミン少尉は捕虜収容所から脱走を図るが、あえなく捕まってしまう。捕まえたのは北朝鮮軍ピョンサン少尉だった。ピョンサンは戦前にキョンミンと旧友であり、ミョンジュという女性を取り合った仲である。しかし、ピョンサンはミョンジュをキョンミンに奪われた悲しみと、政治的に共和国側についたため、キョンミンを憎んでいた。簡単には殺さないとつぶやくのだった。
 1955年2月5日、停戦合意がなされたにも関わらず人民軍捕虜第2収容所の捕虜達は解放されなかった。キョンミンは部下を先導して北朝鮮兵に抵抗して暴動を起こすが鎮圧され、多くの部下が死亡する。この時ピョンサンは上尉になっており、栄転していくが、いずれ再会するだろうと言い残す。
 1965年1月8日、カンゲ教化所にいたキョンミンはフェリョンの第22政治犯収容所に移管される。そこでは、脱走者をロードローラーでひき殺すなど、収容者に人権などありはしなかった。ここで、キョンミンは同じ韓国軍の捕虜で「艦長」と呼ばれる海軍少領(少佐)と出会う。また、前の収容所で横暴な行為を繰り返していた所長が女好きが高じ、身を落として収容されていた。キョンミンは殺された部下のことを思い出し、元所長を半殺しにしようとするが艦長に止められる。
 この収容所の実施的権限は政治保衛部(情報部+共産党のようなもの)のピョンサン上佐だった。再び再会したキョンミンにピョンサンは共和国側への転向を勧めるがキョンミンは受け入れない。
 さらに収容所には、モスクワ留学生でスパイ容疑をかけられたジュヒョンという男がおり、さらに政治外交部副部長だった一家も送り込まれてきた。北朝鮮では昨日の英雄が明日にも地に身を落とすのだ。収容所の所長は元副部長の娘ウンジュ・ウンジョンに目を付け手を出そうとするが、母親に抵抗されて射殺してしまう。さらに、抵抗した罪で父親の元副部長も頭にビニールを被せられ窒息死させられる。泣き崩れる娘二人だったが、キョンミンは何もすることが出来ない。また、ある時ホモ行為を働いていた二人が告発され急所を切り落とされたり、火棒を突っ込まれるなどの処刑を受ける。
 1987年1月23日、女収容者の一人がトイレで胎児を産み落とす。犯人の女は即座に射殺され、さらに全女子に妊娠検査が行われる。その結果一人の女の妊娠が発覚し、所長は相手の男にに女の腹を切り裂けと命令する。男は気が狂いながら女の腹を切り裂くが、結局警備隊長に銃殺される。
 ジュヒョンが持ち込んでいたロシアの本が摘発され、ジュヒョンは1週間の断食を命じられる。そのジュヒョンに食べ物を分けてやった罪でキョンミンは罰を受ける。
 中央党幹部の予審が行われた。女収容者達は風呂に入り化粧に余念がない。品定めと呼ばれる売春行為であるが、選ばれれば食料にありつくことが出来るのだ。元副部長の姉娘ウンジェはプライドから行くのを断ったが、妹のウンジョンは生きるために行くことを決心する。その結果、処女だったウンジョンは所長の女になり食料を得る。
 キョンミンと艦長は炭坑労務の合間に、密かに脱走トンネルを掘っていた。二人は脱走を決行しようとするが穴の位置予測がはずれて失敗する。さらに、ジュヒョンの密告でキョンミンは40日間の穴蔵拘留を命じられる。艦長は密告したジュヒョンを殺害し、自らも北朝鮮兵の銃弾に倒れる。私の魂はアルバトロスのように自由に羽ばたくと言い残して。
 姉娘のウンジェはキョンミンを助けるために体を売る。しかし、キョンミンが牢から出てきた時ウンジェとウンジョン姉妹は首を吊って死んだ。実はウンジョンが所長の子を妊娠していたのだ。
 1990年3月2日、収容所内にペストが流行する。実は、軍医による細菌兵器の実験だったのだ。所長は収容所に火を付けて焼き殺しを命じるが、収容者たちは怒りに暴動を起こす。北朝鮮軍警備兵は戦車までもを投入し鎮圧を図るが、その隙にキョンミンはトラックを奪って脱走を図る。
 キョンミンは中国国境の川で渡河しようとしたところを警備隊長にみつかってしまう。銃殺されようというときに、ピョンサンが助ける。気の変わらないうちに行けと言い残しピョンサンが去っていく。しかし、そのピョンサンも味方に銃殺されてしまう。無事に韓国に戻ったキョンミンだったが、亡くなった人たちの姿が走馬燈のように思い起こされるのだった。


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最終更新日  2006年03月23日 07時37分00秒
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